« 職務質問 | トップページ | 上海に行くともだちのサイエンティストへ »

2016年9月13日 (火)

Mad Season/コンフリクトしてるおれの脳ミソ

「Mad Seasonはアル中の更正施設で出会ったメンバーに、ひどい薬中が加わってできたバンドなんだ。結局メンバーは死んでしまってアルバムは一枚だけしか残っていない。リラックスしてんのかやる気ないのかわかんない君らの演奏を聴いたとき、まるでMad Seasonだと思ったよ」


 そう教えてくれたのは近所の珈琲屋の髭男だった。
最近仲良くなった髭男はノーウェーブなボタンダウンのシャツを着て繊細な倍音のノイズを奏でるギタリストなんだ。

Mad Seasonって知らなかった。どんな音だろう。久々にレコード屋に行く用事ができた。聴くべきものがなくて困ってたんだ。

      ◆◆◆◆◆◆


 おれはお茶の水のレコード屋でMの欄からずっとMad Seasonを探していたが見つからなかった。

 新作の棚を見ると、なぜかFaith No Moreが再発していて、なぜかニック・ケイヴが再発していて、なぜかアラン・ヴェガの追悼コーナーにはスーサイドの二枚目が置いてあった。懐古的なムードだ。この流れでMad Seasonも置いてないかなと思ったがそんな名前は無かった。


 例えばポップグループは超有名な1stアルバムよりも、二枚目の方が格段にいい。世間的な評価は違うようだがおれはいいと思ってる。世の中には稀にそういうこともあるんだ。
 だが、スーサイドの二枚目は果たしてどうなんだろう?おれの心の中のスーサイドを超えてくれないのなら知らない方がいいって思ってしまう。往々にしてあるよな。

 もし、スーサイドの二枚目がよかったら、誰か教えてくれ。


 新作の棚を順に探していったら脇の方にアパラチアンフォークミュージックのブラインド・アルフレッド・リードというミュージシャンの豪華ブックレット付きCDを見つけた。CDにブックレットが付いてるというよりも、本におまけでCDが付いてるような有り様だ。今後こういった本>CDという形態は増えていくんだろう。

 本末転倒とも思う。だが本の需要もCDの需要も世の中にはなく、本とCDが好きなおれはこういった作品には素直に心惹かれてしまう。ジャケットもいい。DUST TO DIGITALというレーベルが出していて、そのレーベル名から謂わんとしているコンセプトが伝わってくる。


 そんなことを考えながらCD棚の前に突っ立っていたら、不意に横から知った顔が話しかけてきた。

 

「おい、NGじゃん。」

 

「ナオアキさん。何やってんの。」

 

「これから現場なんだけどちょっとな。これ見つけたぜ、」

 

 ナオアキさんが持ってたのは日本の80年代ニューウェーブぽいバンドのCDだった。


「全然知らないけどやばそうだな。おれはこれ買おうかどうか迷ってるよ」

 

棚に置いてあるBLIND ALFRED REEDの豪華ブックレットを指差した。


「なんだこりゃ?全然知らないけど」


「おれも今日初めて見つけて知らないんだけどさ、買おうか迷ってる。」


「ちょっと一杯だけ飲まないか?」

 

「もちろん。いいぜ」

 

     ◆◆◆◆◆◆◆◆
 

 ナオアキさんは、おれの尊敬するミュージシャンだ。ファンクバンドでレコードを出してる鍵盤奏者。アナログ盤を出すってのはさ、すげえことなんだよ。やっぱり。

 ナインティーンというグループではカセットテープも出してる。「イージー&イージー」の作曲者と言えば、このblogの読者にもわかるかもしれない。すげえいい曲だよな。


 お茶の水駅の近くにある一杯飲み屋に入った。そこで生ビールとハイボールを飲みながらふたりで語らった。


「最近はさ、初期のユニコーンを聴いてるよ。」

 

「相変わらず突いてくるな。初期のユニコーンてどんななの」

 

「なんつうか、あの頃、なんだよ。あの気持ちになるっていうか。」

 

「哀愁って言うのとも違う。青臭いってのでもないし、懐かしいってわけでもないんだよな」


 すぐにハイボールを飲み干してしまっておれたちは次の酒を頼んだ。

 

「おれはこんなの読んでるよ。中上健次の"路上のジャズ"。新宿とか、政治とか、アルバートアイラーとか。なんていうか中学生みたいな気持ちになるな。」

 

「キてるな」

 

「コンフリクトしてくる、気持ちが、よみがえる。」

 

「大丈夫か?コンフリクトてなんだ?そんな言葉知らんわ」


「フリクションてバンドあるだろ。軋轢。コンフリクトはさらに軋轢が重なりあって、葛藤。」

 

「ああ、なるほど」

 

ナオアキさんはあきれ笑いだった。

 

「ライブはどう?」

 

「今週木曜日からひとりで秋田に行って、酒田に行って、象潟っていうところに行ってくるよ。」

 

「酒田か。こないだおれたちもツアーで行った。NGに教えてもらったラーメン屋は結局行けなかったな。」

 

「ケンチャンラーメン、絶対行った方がいいのに。秋田にも行くべきだよ。秋田と酒田は近いし、二つの都市の音楽は交流があるんだ。」


「酒田じゃないが、おれたちがこないだ行ってきた街は、昔で言うナディフみたいな本屋があってさ、なんつうの、いろんな情報が集まってくるとこ」
 

「文化を発信してるんだな。」
 

「うん、まあ、そういう雰囲気。そこでおれたちのCDを扱ってくれてんだわ。

その本屋が音楽をプッシュしてくれて、地元の学生やそこで働いてる人たちが気に入ってくれたみたいなんだ。街の人が集まって、すげえ盛り上がってくれて嬉しかったよ」

 

「そういうホットスポットみたいな場所ってあるな。そういう場所だったり人と出会えることが大事だし嬉しいよね。

 秋田にしののめっていう居酒屋があって、すげえ日本酒おいてある。そんで酒飲みの魔物みたいな人たちが毎晩集ってるんだ。みんなの大事な所なんだ。

 酒田はなんといってもブルースヒロってブルースバーがあってさ。いろんなミュージシャンが集まってんだ。けっこう渋い人たち。焼酎のお茶割りが濃いんだよ。八割くらい焼酎さ。
おれ酔っぱらってお店の猫を逃がしちゃって、叱られたよ」


「最高じゃん。おまえは最悪だけどな。
てか、酒の話しかしてねえけど。」


 


      ◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 おれたちはたくさんのよもやま話をして店を出た。9月の風が生温いムードと涼しげな気持ちの間くらいの温度で吹いていた。


「おれたち、こうやってオッサンになっていくのかな?色んなことあってさ。どうせならいいオッサンになりてえな。」


「いいオッサン?ジェントルマン的な何かか?何言ってんの?最悪だわ。最底辺な発想だわ。」


「ジェントルマン的なものの逆だ。飲んだくれてくだ巻きまくって、赤ら顔で何にでも話しかけるような、そんなオッサン。」


「どっちにしろ嫌だな」


「なんか色々あってもさ、それを出さないようにしててさ、でも表現の中につい隠れた感情の翳りが出たり、そういう風がいいんじゃないか?」


「わかる。だけどおれには当分難しそうだよ。」


「おい、ショボくれんな。元気出せよ。おまえのblogは最高だ。天才的だな。おれに言わせれば。みんなチェックしてるぜ、彼女ができたからってサボっちゃダメだ。」


「書くよ。今日のこと書いていいかい?」


「やめろ」


 

      ◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 

 おれのコンフリクトを読むのが最高なんだろうか。そうは思えないし、わからねえが今日は書いてみた。

 色んなことがあったんだ。

 それは自分のしたことだったり、突然訪れた通り雨のような防ぎようのないこともあった。
書ける範囲でもう少し書こうと思うんだ。読もうと思って訪れてくれる人たちには待たせて悪かった。
待ってねえよ!!!!という怒号が聞こえてくるな。

 彼女ができたんだよ。最高さ。下町の女だ。ビビるぜ。

 ある人と突然の別離があった。この世からいなくなっちまったんだ。青天の霹靂だった。覚悟していたが吃驚したし、悲しみの縁に立っている。この件は今はまだ書けない。

 サボテンは2つは育ち、1つは枯れた。サボテンのことをなんて数えたらいいかわからない。

 サボテン姉妹は上からサボ子、サバンナー、サボミという名前をつけた。超可愛いだろ。サボミが枯れてしまったんだ。サボミとは昨日お別れをした。

 彼女らとは別に、新たなサボテンが2つ家にやってきた。彼らは従兄弟でサボトロとサヴァイブという名前にした。

 家族が増えて、家族が一人いなくなった。嬉しい気持ちと哀しい気持ち。おれはどうしたらいい?

 ただ淡々と毎日を歩いてくしかない。


 明後日から東北にソロツアーに行く。全部は書けなくても、少しずつだけでもここに書いていこうと思ってるよ。


 東北日本海側の街に住む大好きな人たちに会えるのが楽しみさ。


 ジョニーは秋田にいるらしい。彼は故郷に戻ってきたんだ!喜んで騒いでるのはおれだけかい?なんでおれが喜んでんのかよくわかんねえけどな。

 みんなで浴びるほど酒を飲もうぜ。

――――――――――――――――――

MO MOバンスキング

20160915(木)

@MO MO  JUNK☆STAR

入場無料・1ドリンクオーダー・投げ銭

18:00オープン 19:30スタート

スペシャルゲスト
夢野カブ
N.G.barbaroi

出演
day off
フグロ
yamaZy

お問い合わせ
山影 080-3196-4716
MOMO JUNK☆STAR
秋田市牛島5-2-38

018-832-8881


――――――――――――――――――


2016年9月16日 金曜日

夢野カブ酒田公演

酒田ブルースヒロ

開場18時 開演18時半

チャージ2,500円1D付

出演

夢野カブ

Ng Barbaroi

乞食晩餐会


―――――――――――――――――――


 


 


 


 


|

« 職務質問 | トップページ | 上海に行くともだちのサイエンティストへ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/187985/67477651

この記事へのトラックバック一覧です: Mad Season/コンフリクトしてるおれの脳ミソ:

« 職務質問 | トップページ | 上海に行くともだちのサイエンティストへ »