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2015年9月16日 (水)

だがこれはギャンブルではない

2015年、9月16日水曜日に日付が変わった頃。
 驢馬の2枚目のアルバム、「DAMAGE」の発売日だ。驢馬は去年の暮れからこの日に向かってずっと準備してきた。大変なエネルギーと時間を注いだプリプロダクション、意外なほどに瞬間的に終えることができたレコーディング。武道の試験のような雰囲気だった。何度も何度も練習した技を一瞬のうちに披露する。そんな真剣勝負の感覚だった。それから7時間近く水に浸かっていた水中のジャケット写真撮影。中学校を借りきって撮影したプロモーションビデオ撮影。2015年行ったありとあらゆる行為がこの発売の瞬間に向けて用意されたものだ。

 昨晩はおれはレストランで久しぶりにピザ場に入って調理していた。だが、あんまり混まなかったので、もう一店舗にヘルプに行って皿をひたすら洗っていた。戻ってきてタイムカードを切ると、ドラキュラみたいな店長がアルバム発売を祝って一杯おごってくれた。
「"金がなくては"という曲と"金なんか無くてもどうせ死なねえ"という曲があるんですよ。」とちょっと歌ってあげた。すると調理場に来ていた他店のシェフが「それってヒップホップなの?」と聞いてきた。ドラキュラ店長は「聴いたらあんまり激しくてメタルかと思いました」と言った。「パンクでもありますね。」「疲れてるときに聴いたらビックリしました」「疲れてるときに全くお勧めしません」

 それからアルバムができるまで、様々なことをしてきたことを話した。シェフが「それは賭けだね」と嬉しそうに言ったのが嬉しかった。
「ええ、賭けなんです。だからおれは私生活ではパチンコとかギャンブルは一切しません。」

 帰る前に近くのスタジオやライブハウスをのぞいて、ポスターを貼らせてもらえないか頼んだ。明日はどうなるだろうと考えていた。仕入れてくれた店舗に挨拶に行こうと思っている。スーツを着て、正装で出掛ける。CDをリリースする流れは少しずつわかってきたが、リリース前の泡たつような気持ちにはどうにも慣れない。

泉谷しげるの春夏秋冬の歌詞のような思いだ。深夜3時頃に家に帰ってきたが全然眠れなかった。

何かが始まる



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