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2015年9月11日 (金)

すべての不良少年がドストエフスキーを読んだら世界は変わるかもしれない

 驢馬のスリーマン「男根」と「男根ぶら下げ三千里ツアー」のスケジュールが発表された。

〈DAMAGEレコ初スリーマン「男根」〉
2015年10月4日(日)東高円寺二万電圧
時間 : Open 18:30 Start 19:00
料金 : 前売 1,800円 当日 2,300円(+1d 500円)
出演 : 驢馬 / FIREBIRDGASS / GROUNDCOVER.

〈驢馬-ロバ-「男根ぶら下げ三千里ツアー」2015〉
2015年10月6日(火)神戸スタークラブ
2015年10月7日(水)高松TOONICE
2015年10月8日(木)徳島CROWBAR
2015年10月9日(金)松山doubule-u-studio
2015年10月11日(日)横須賀かぼちゃ屋
2015年10月16日(金)酒田Music Factory
2015年10月17日(土)秋田Re:MIX
2015年10月23日(金)新宿LOFT
2015年11月6日(金)滋賀U Stone
2015年11月7日(土)甲府CONVICTION
2015年11月11日(水)渋谷CYCLONE(アウトストアイベント)
2015年11月12日(木)大阪心斎橋HOKAGE
2015年11月13日(金)尼崎Deepa
2015年11月14日(土)名古屋DAY TRIP
2015年11月15日(日)和歌山OLD TIME

ファイナルワンマン
2015年12月13日(日)渋谷CYCLONE


 今年は製作が多くて旅に全然出ていなかったからすごく楽しみだ。驢馬は旅に出ているのがいい。東京にいるときは思惑だとか牢獄が多くて、五頭も驢馬がいると少し窮屈だ。

 こういうちょっとした全国ツアー(全都道府県ではないけれど)をまわるようになって思ったことは、アルバイトやりながらツアーを回るとは思ってなかったということだ。全国ツアーをやるようなバンドはレーベルから予算が降りたり、ギャラがウッハウッハしてるのかと思っていた。潤いとは言わないまでも音楽だけで食えているのかなーと思っていたけど、なんのことはない、おれたちがVANISING RECORDレーベルの中の人だからおれたちがツアーの予算を出さなければ誰も出さない。単純な話に過ぎない。

 インディーズでもいろんなやり方があるだろう。まだまだ試行錯誤の途中だけれど、おれたちが誇りを持って言い切れるのは「有り金はすべて制作費にぶちこんだ」ということだ。

 もちろんメジャーレーベルのアルバム制作費とは比べ物にならないだろう。クソが!!!でも、すべておれたちが決断して進めたこのプロジェクトは絶対にメジャーレーベルのアルバムにひけをとらないと思う。無名だから無敵なんだ。驢馬は5人が全員プロデューサーで、プロデュースというのはワケ知り顔のおっさんが鼻くそホジリながらMacをいじる作業じゃねえ。本当に愛して産むからのプロデュースをやったと自負している。

 おい、涙が出てくるくらい良い話じゃねえか、そう思わないか?思わないか。

 ただまあ若干トンチンカンかもしれないけれど、何かの目的を遂げようとして、そのために稼いで、お金を投資できることはけっこう幸せなことだなと思う。ましてやいい年コキはじめた大の男が五人も集まってそういうことをできるのはクレイジーだし、そういう奴らが集まっていれば何かを変えられるかもしれない。
「何かを変えられるかもしれない」なんて現代日本社会で成人男性がほざいていたらアホと思われるだけだけど、音楽にとって「何かを変えられるかもしれない」という「何か」のムードよりも大切なことは無いんだ。だからアホと思われようとマジでやってる。若干じゃなくて相当トンチンカンなところもあるけれど、それくらいのユーモアがないとやっていけないさ。何かを変えるためには。

 そんなこんなでおれは昨日も終日レストランで時間労働だった。

台風だったためかランチタイムには全然お客様はいらっしゃいませんでした。
ランチのラストオーダーの間際になって、自分がドルチェの入っている冷蔵庫を開けようとしたところ、冷蔵庫が傾いてしまい、スタッフ全員で治そうと冷蔵庫を持ち上げ動かしたら、冷蔵庫の陰にあった配水管に接触して折れてしまい水が漏れてしまいました(社員への報告メールから転載。)

 とにかく水が溢れだして止まらず、古い建物のせいか、元栓もなかなか閉まらず、自分は菅の破損箇所をワインの栓がわりにしていたバナナ型のゴム製コルク(店長の私物)で強引に力で押さえ込んで止めるというzampano芸をしているとみるみるうちに水を全身に浴びてびしょ濡れになってしまいました。

 びしょ濡れになりながらずっと考えていたことは驢馬の新しいプロモーションビデオが今夜発表になる。そのビデオを紹介するコメントを考えなければいけなかったのだ。おれはずぶ濡れになりながら考えた。ファンの女性から朝「驢馬って大人と子どもの間って感じがありますよね」というメッセージが来てたことを思い出した。大人と子どもの間ってなかなかヤバイな。おれたち大丈夫かな?とも思ったけれど、ずぶ濡れになって配水管の水の噴出を抑え込んでいるおれはけして大人とは言えない。とはいえ子どもとも言えない。子どもだったらぼんやり観ているだろうなと思った。中途半端な責任感があるからずぶ濡れにになるわけだし。逆にもっと対処力があれば水の元栓を探して止めるだろう。そうしないのは「おれ別にバイトだし」店の元栓なんか知ったこっちゃねーからだ。

 そして誰も元栓を止めないまま自分は溢れ出す水の中はいつくばってずぶ濡れになっていきました。誰も店の元栓を知らなかったのです。そのうち上司の上のさらに上司のKさんがやって来ました。水は止まりました。元栓を閉めていただけたのでしょう。ホッとしたのもつかの間、Kさんは鬼の形相で怒りました。

「おいおい!おいおいおいおい!!何やってんだテメー!!!なにしてくれちゃってんだよ?!?!?!」

「配水管が折れました」

「なんで配水管が折れるんだよ?!テメーが折ったんだろうが??」

「冷蔵庫を動かそうとしたら接触してしまいました。ここに配水管があるとは知りませんでした」

「おれだって知らねーよ?!知らねーとこなにさわってんだよ?!?!だいたいなんで冷蔵庫動かしてんだよ?!?!?!」

「冷蔵庫の扉を閉めたら突然傾きました」

「そんなわけねーだろ??こんな足場で支えてんだぞ!!!!テメーが傾けたんだろ?!コラ!!!!」

「その足場から支えが崩れたんです。もしかしたら足場に隙間があったのかもしれません」

「は?!!?!なんで気づかねーんだよ!!!!?!?!気づくのがテメーの仕事だろーが!!!!そんなテキトーな仕事してていいと思ってんのか?!??ああ?
!!!!?」

「気づきませんでした」


 と話ながらおれはまったく全然別のことを考えていた。なぜ別のことを考えれたかと言うと、Kさんに言われることはびしょ濡れのバナナで流れる水流を抑えながらすでにシュミレーション済みであり、何て言われるか何を答えるかもうわかっていたからである。おれは怒声を浴びながら思い出した。

「すべての不良少年がドストエフスキーを読んだら世界は変わるかもしれない」

 なんの小説で読んだかは思い出せない。そんなに面白い本ではなかったかもしれない。でも、これは驢馬の「殺されたメロディー」通称「支配者」になんとなく当てはまるように思った。これをキャッチフレーズとしてメンバーに提案してみよう。

 水道管破裂箇所を懸命にバナナで抑えていたおれは実際には状況対処としてやっていたわけではないように思う。
 ただ、水があんまり勢いよく溢れ出るから思う存分水を浴びたかっただけだろう。
 元栓がしまり店内のすべての水道が使えなくなった今、おれは床に這いつくばったり冷蔵庫の裏の汚れを全身で浴びたので、真っ黒になっていて、それを洗うためには傘をささずに外に出て空を仰ぎ見ればよかった。

 配水管なんかが破裂しなくても台風の日には水浴びはできるのに。

それでもドストエフスキーを読まなかったら不良少年はこうはならなかった。


 そしておれは不良少年でさえなかった。じゃあなんでこんなことになったんだ?
 かつても今も、ただ不明のなかにいて、不明の旅に出かける。

 ドストエフスキーは「地下室の手記」が一番好きだ。ちゃんと読んだのはあれだけかもしれない。
カラマーゾフの兄弟には悪いが。


このビデオを観てくれよ。

https://youtu.be/6AVmY6z3Q94



(実際のキャッチフレーズとは異なります。このキャッチフレーズは採用されませんでした。)



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