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2014年9月 8日 (月)

パンクスたちのパスポート

 おれたちは札幌に訪れて、ライブハウスに着いた後にリハーサルをやって。開場までの時間を持て余してライブハウスの屋根裏部屋のような楽屋で黙々とA4のフライヤーに刃を入れ続けたり。

電気を点けない部屋の中で、急ぎ足に傾いていく北の太陽は次第に翳っていた。

「なにやってんだよ、電気つけなよ」

THE KNOCKERSのボーカリストが楽屋に入ってきて、東京からきた余所者たちは頭を下げる。
 
彼の肩には「NO REALIZE」と書かれたパッチが貼ってあった。

zampanoと驢馬で秋田を旅したとき「NO REALIZE」というハードコアパンクのバンドに大変お世話になった。

NO REALIZEのパッチに気づいたおかげで、北海道のバンドマンと打ち解けることができた。

彼らのボロボロになったパッチワークの意味は、スポーツ選手が着るユニフォームにあるスポンサー企業ロゴの正反対だ。

旅する音楽家にとってパンクスのTシャツやパッチワークやシールは共感と信頼関係を顕すパスポートみたいなものなんだよ。

おれはあんまりシールやパッチをつけないけど、彼らのクラストパンツや武装を見て意味を考えるのが好きだ。

もちろんそれらは輸入されたアイデアなんだけど、日本の、たとえば北海道と秋田をつなぐくらいには根付いて機能している様を目の当たりにするとパンクスのブリコラージュを尊敬するし、嬉しいシンパシーを感じる。

それは文化といっても差し支えないんじゃないかと思う。
彼らはそんな言葉どうでもいいかもしれないけどね。

今回企画してくれた札幌イベンターは、ワークパンツに驢馬のロゴを描いてくれと言ってくれた。

ずっと驢馬のホームページを観てて、毎回おれの書くセットリストの文字を「カッコいいからいつかサインをもらおうと思ってたんです」だって。驢馬のホームページのsetlistってのは確かにおれが書いていて、でも誰も観ていないんじゃないかと思ってたんだが。毎回ライブをやってる痕跡を遺したくて始めたことだ。北の人がずっとおれの書いた字を観ていてくれたことが嬉しくて。彼のワークパンツに真剣に描いたよ。
20140907134601243.png

彼がもしかして驢馬と描いてあるワークパンツを穿いて東京に来ても人々はそのバンドをわからないかもしれない。東高円寺だったらわかってもろえるかもしれないけどな。満州王の親方だっておれたちが何てバンドなのかは知らないだろう。

それでもきっと、驢馬のアーリーイヤーズにワークパンツにサインを求めた青年がどれだけ気合い入ってるか、素晴らしい価値があることをおれたちの音楽で証明してみせるよ。ありがとう。




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