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2014年9月29日 (月)

歌舞伎町でバンスキング

Dear NG,

Sorry, I cant write sentences in Japanese in this PC. And, sorry too for being not able to see your stage yesterday. But your information was too sudden. So, please give me your information before a few days which you play. If I have a chance, I will see your live in next time.

Regards,
K


前略
 K君へ。
 いつも連絡が遅くてごめんよ。
先週は九州にいると言っていたが、もしかしておまえは今日本にいないのか?
どちらにせよおれは英語で文章を書くことに慣れていないし、おまえにそんな労力を使うことを考えると胸がムカついてくるからブログに書くことにした。中学生の頃のようにおまえと知恵比べをするつもりはないんだ。おまえのみているPCのブラウザが日本語に対応していることを願うよ。

で、とりあえずだけれど、10月3日の深夜に新宿ロフトのバースペースでおれのイベントがあるから観に来てくれ。
NGもついにロフトでイベントをやるようなところまできたんだよ!!と言ってもおまえはスタジアムロックとハービーハンコックしか聞かねえから新宿ロフトと言ってもピンとこないかもしれないが。まあいいんだ。

 企画のタイトルは「新宿バンスキング」と言って、これは30年くらい前に上演された「上海バンスキング」という舞台の名前から拝借した。
上海バンスキングは戦中に上海租界で活躍して放蕩のかぎりを尽くしていた日本人ジャズミュージシャンたちの群像劇だ。
この舞台の元になった人物に服部良一という戦前から活動しているミュージシャンがいる。上海バンスキングは彼のイ
ンタビューを元に作られたらしいんだ。服部良一はジャズを日本の音楽に持ち込んだ第一人者で、歌謡曲の父と言ってもいい偉大な存在だ。李香蘭や淡谷のりこ、笠置シヅ子の曲を作曲した人だよ。今回のイベントには服部良一の音楽の放つ、いかがわしさや夜の雰囲気へのオマージュが込められている。
 もうひとつのテーマは群像劇。おれは群像劇がやりたいんだよ。誰かのパーソナルストーリーじゃなくて複数の人間の運命が入り乱れてぐちゃぐちゃに時代が変わっていくような、そんな出し物をやりたい。例えばフランスの映画で「天井桟敷の人々」みたいな。初めて観たとき、「これだ!」って思ったんだ。寺山修司の方じゃないよ。劇団「天井桟敷」の元ネタだ。だけどおまえは宇宙のダークマターやひも理論に夢中だったから、映画や演劇には興味ないかもな。たまには映画も観るべきだよ。

で、10/3の出演バンドを簡単に説明するよ。

○ユーテツ&ワセイ(fromチムニィ)
「ロックバンドチムニィのMCとギター」
 おまえはチムニィってバンド知ってるか?かつておれは企画にチムニィと思い出野郎Aチームとタリバナサンバを呼ぼうとしたんだが、あのときもうおまえはバンドを抜けてたんだっけ?
チムニィは信じられないくらいタイトなリズムとラップを使ったかっこいいロックバンドだ。そのチムニィのリリシストのユーテツさんと、色とりどりのコードとカッティングの使い手ワセイさんが2人だけでアコースティックで出演してくれる。東京のど真ん中という曲はワセイさんとユーテツさん2人でやっててYouTubeにもビデオがあるから観てみてよ。


○Neo Tokyo Break Down With Cheap Death
【瀬尾マリナ(vo)壱(ds) yusa(key) 村上大輔(sax) 羽賀和貴(gt)関口萌(gt.vo) 】
 このネオトーキョーのメンバーはそれぞれがライブハウスで有名なバンドで活躍しているオールスター的なメンツのバンドなんだけど、それぞれのバンド名を羅列してもあんまり芸がないからやめるよ。皆で隠し育てたグッドミュージック。アンサンブルの良さを素直に感じさせてくれるバンドだよ。おれは毎回ライブを観に行ってる。企画に出てくれてとても嬉しい。


○AnAn-POGA
「2011年結成のAnAn-POGA (ex-アングリポガチャン) ・フィドル・ザイラフォン(木琴)・トランペット・ギター・ベース・ドラム・そして全員がヴォーカルと言う大所帯バンド! 所狭しに並べられた世界一の音符達が、発狂をくり返しながら小節を切り裂いていく! 激しく振り回されるフィドルや木琴がバンドサ ウンドを唯一無二のものにする。 AnAn-POGAは音楽の根本にある『くり返し』を 排除して新しい音楽を作ってきた。 これは昨日生まれた奴にでも真似が出来るくらい簡単な作曲法! これが『ドンファン・ミュージック』だ! 2014年は春、夏、年末と1年に3枚のシングルをリリース! あらゆるバンドを経て来たメンバー達。 リーダーのEPPAIは去年ソロでフジロック・フェスティバルに出演し、今年の夏にはフランス・ツアーを終えたばかりだ! メンバーの中にはライブハウス武蔵境スタットのオーナーもいる!
AnAn-POGA WEB http://www.anglipogachan.com/anan-poga.html 」
 アンアンポガは詳細なプロフィールを送ってくれたからおれからあんまり付け足すことはない。おれたちの地元のライブハウス、スタットの店長マンブさんとハタケヤマさんがいるよ。スタットのラスボス的なバンドだ。ジプシーパンクぽいけどもっと発狂してる。月並みな言葉だけど普通な音楽に飽きてる奴に聴いてほしい。


○殺し屋ベイビー
「東京で活動する日本唯一の「プログレッシブ童謡」バンド。風の音。空の色。夕暮れの恐怖。暗闇の孤独。猫の足音。少年の繊細な心の描いた歌詞をどこ か懐かしいメロディーにのせ、無駄にドラマチックな展開・コーラスでみんなをびっくりさせたいと思っている音楽集団。 6人が紡ぎ出すちょっぴり奇妙でセンチメンタルな音楽は、一度聴いたら忘れられないはず。 」
ギターボーカル、エレキギター、ベース、ドラム、サックス/キーボード、クラリネット/アコーディオンという6人組だ。プログレと言えば中学校の頃おまえの部屋で一緒に21世紀の精神異常者をコピーしたよな。プロフィールにプログレと謳われているが、むしろクイーンみたいなバンドだと思うよ。中央線で飲んでるクイーンみたいな。無理ある説明だけど、観たらわかってくれるんじゃないかな。


○The Damn Right’s
 ダムンライツは最近結成されたバンドで、ギターボーカル、ピアノ、ドラム、シンセ/ベース、バイオリン、ダンスという6人のバンドだ。あんまり公にアナウンスしてないが、驢馬の大坪と福井とおれが参加している。大坪のソロの曲がメインで、彼の音楽の複雑さと繊細さが核になってる。


zampanoが出演するけど、zampanoはこないだ観てもらったから説明は省く。


あとDJTAKEEって奴がでる。こいつはおれの後輩なんだが、いつの間にかものすごく音楽に詳しくなっていて、イベントをオーガナイズしたり、ニューオリンズの音楽やアフリカの音楽のレコードをたくさん持ってるんだ。こいつがなにを回すかも楽しみだ。
 
 こんな面子で企画をやるんだ。面白そうだと思わないか?是非観に来てほしい。深夜23時半から開始だから気をつけろよ。はやく行ってもいないからな。間違って二丁目とか行くなよ。

 ブログのネタにさせてもらって悪いけれど、おまえが元気でいることはおれたちの旧友たちを元気づけるんじゃないかと思うんだ。みんなバンドを辞めて、散り散りになってなかなか会うことができないけれど、きっと多分このブログは読んでいるんだと思う。
もともと物理学を専攻していたおまえがバンドを辞めたあと、研究者になって論文を発表したり、ヨーロッパの学会に殴り込んでいると知っておれは嬉しかったよ。ただ、久々に会っても部屋で黙々と数式に向かってるおまえをみて、昔の引きこもり具合と何がどう変わったのかはわからなかったけどな。それはでもきっとおれにも言えることなんだろう。

何はともあれ、3日の夜は歌舞伎町で待っているよ。


草々

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#10/3(fri-midnight)@新宿LOFT
NG企画「新宿バンスキング」 open23:30/start24:00 ADV¥1500/ DOOR¥2000 +1Drink

出演バンド
・zampano
・The Damn Right's
・ユーテツ&ワセイ(fromチムニィ)
・殺し屋ベイビー
・Neo Tokyo Break Down With Cheap Death
・AnAn-POGA
・DJTAKEE

新宿ロフト

〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-12-9 タテハナビルB2



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2014年9月25日 (木)

who is this bitch anyway?

まったくブログを更新できてない日々よ。これは一週間前に書いていた書きかけのままの文章だ。

 zampanoの東北ツアーから帰ってきた次の日、いいかげんに身体を休めようと時間労働のシフトは休みにしてあったはずだったんだが、職場に呼び出されて結局は出勤する羽目になった。
出勤してみれば厨房の前菜場はぐちゃぐちゃに散らかっていて色んな仕込みが追いついていない。だいたい、おれはここ3ヶ月くらいはホールで働いていたからキッチンには久しぶりに入ったのに、他のやつが如何にめちゃくちゃに働いていたか思い知らされた。
 長い過酷なツアーから帰ってきていきなりこの仕打ちかよと思ったが、開店と同時に店は満席になってそんな文句を暢気に垂れている場合じゃなくなった。おれはそこから6時間ほど仕込みをしながら料理を出し、走り回る羽目になって、完全に美しく幽玄だった東北の余韻は吹き飛んだんだ。

 山形の酒、月山(がっさん)という吟醸酒をおみやげに買ってきた。職場には酒飲みが多くて、とにかくかなりハードコアに飲む人たちなんだ。そこはNG的にはウマが合う雰囲気だから、それで今の仕事を続けられてるのかもしれない。ツアーはどうだったの?と聞かれて、「大人気でCDが売り切れました。馨子の声はラリって聴くと最高に気持ちいいみたいです」と言うと皆笑ってくれた。冗談だよ。深くは言及しない。
職場の酒飲みたちにもzampanoは人気がある。かなりハードな勤務状況の同僚や上司たちにとってアルコールで酩酊しながらzampanoを聴くと「まるで働きたくなくなる」というのが人気の理由らしい。おれはそんな風に思ってもらえるのがとても嬉しい。ジャンキーの耳の救世主save ya!だ。

 それから似たような日々が一週間続いた。その中でも驢馬が、zampanoが、ダムンライツがライブをやって東京の夜を局地的に賑やかせたが、東京はいかんせん人が多すぎて建物も入り組んでるし、その音楽的熱狂があなたには伝わりづらいかもしれない。
そうこうしてるうちにおれはダンサーの女とこっそり2人でエリカ・バドゥを観に行ったりした。エリカ様は神懸かりだった。

「NGにはなんで恋人ができないんだろうね。一緒にいると意外と楽しいのに」

よけいなお世話だ。
ダンサーはタメ年のくせに落ち着きやがって彼氏の前でもおれを平然とデートに誘ったりしやがる。おれは彼女をドキッとさせられないかいろいろ試してみたが、彼女を本当にドキッとさせたのはおれじゃなくて夕暮れの海に沈む太陽だったり、遠くで聞こえるDJだったり、 NASのライフイズビッチだっりした。しかもドキッとしてるのはむしろおれの方だった。

”Life's a bitch and then you die; that's why we get high
Cause you never know when you're gonna go

Life's a bitch and then you die; that's why we puff lye
Cause you never know when you're gonna go

Life's a bitch and then you die; that's why we get high
Cause you never know when you're gonna go

Life's a bitch and then you die; that's why we puff lye”


”人生は雌犬だと、あなたは死ぬ。それは、私たちが高い 原因を取得する なぜあなたは、外出先つもりだときに知っていることだ

人生は雌犬だと、あなたは 死ぬ。私たちは灰汁をパフ 理由です”


 Googleの自動翻訳でLife’s a Bitchを翻訳するとこういう意味らしい。

歌詞の本当の意味はどうなんだろう?

人生は雌犬?

千葉の海浜幕張という人工的な都市の夕暮れでおれは、きっと雌犬の意表を突く一言を今、言えないだろうと想った。だから黙っていた。

そしてそのとき思い当たったんだ。

真に信頼しているような、ある意味で愛情よりも強いシンパシーを感じている人には、何も言わずに黙っていることこそが正解だと、この日にやっと気づいたんだ。
散々失敗した後の今となって。

そして今まで経験したすべての美しい大事な場面で、NG的なくだらない言葉を吐いて大切な人との関係を台無しにしてきたことに気づいたんだ。

やっとそれに気づくまで遠い遠い回り道をしていてアホみたいだ。しかもこのブログに書いてしまったことで結局言葉で全部言おうとしてしまっているNGなんだ。たわけが。


人生は雌犬だと、あなたは死ぬ


何かに気づいたりしても、何かが変わるわけではないかもしれない。
それでもおれは感謝したい気持ちだった。



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2014年9月17日 (水)

ハレとケについて ジョニーへの手紙2014年9月17日

親愛なるジョニーさんへ

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zampanoの羆嵐(くまあらし)ツアーでは大変お世話になりました。ありがとうございました。

先ほど東京について、馨子とユウキさんとは別れ、ツアー帰りですがそのまま福井とふたりでThe Damn Right’sという新しいバンドのリハーサルをやるという強行なスケジュールを終えたところです。
The Damn Right’sはザ・ダムンライツと読むんですが、驢馬の壺くんがアコギと歌。おれはピアノ。福井がドラムというメンバーに、バイオリンと、シンセ兼ベースと、ダンサーの三人の女性を加えた新しいバンドです。
ユーラシア大陸のカントリーミュージックみたいな、滅びた部族のポップチューンのような、すてきな音楽をやっていると自負しています(ソングライティングは壺くんです)。
きっとジョニーさんも気に入ると思います。音源ができたら連絡します。

 ダムンライツの曲を演奏しながら目の前に星がチカチカしてました。ちょっとツアー中に無理をしすぎたかもしれません。

夜叉鬼祭で観たあの星空の星を一つずつ消灯していくような、
朝方に現れた幽玄で広大な雲の海が次第に薄れて散って、消えていくような、そんな想いがしました。
素晴らしかった体験の後の余韻に自分で幕を下ろすのは少し辛いし、自分の感動にわざととどめを刺すようで嫌ですね、

でも、かなり無茶苦茶とは言え、おれたちもやはり日常を生きているし、
音楽家のすべきことはいたずらにサステインペダルを踏むことではなくて、次の魅力的な余韻のために勇気を持って新しいアタック音を鳴らすことだと思っています。

だから無茶だとわかっていましたが、わざと予定を入れました。
でも秋田にいると東京の自分が無駄に生き急いでるように思えてなりませんが、、、

パンゲアもブルースヒロもとても楽しい場所でした。
パンゲアは最初すこしおっかなかったのですが、冷静に考えたらジョニーさんから紹介していただいた四階もステップスバーも最初はかなり怖かったので(笑)、結局打ち解けて慣れました。
身から出たサービスのシュウさんとカタケンさんには大変お世話になりました。紹介いただいてありがとうございます。

ブルースヒロは老舗のブルースバーといったような落ち着いた内装で、おれはブルースバーで育ったのでかなりリラックスして演奏できました。山形でずっと演奏したかったのでできて嬉しかったです。ちょうど山形のじいちゃんの亡くなった一周忌で、一曲だけおれが歌う曲を演奏しました。
酒田のことやバンドのこと、いろいろ聞けました。打ち上げでキツい地元の訛が理解できることは初めてだったので、それもとっても嬉しかったです。
乞食晩餐会のシンイチさんとクッタカさんによろしくお伝えください。 



米子さんにも大変お世話になりました。たくさんの色の布と装飾に囲まれた素敵なお店で、アウェイなのにホームみたいな気持ちになって。ライブから帰る場所があるだけで安心できました。一流のもてなしをいただいて感謝しています。




夜叉鬼と米子の伝説の話を聞きました。おれには夜叉鬼祭は偉大な山賊の祭りにしか見えなかったし、新たなやり方で昔話のような祭りと世界を作り上げた皆さんに感動しています。


いろいろあったけど、ジョニーさんと秋田の仲間たちと火を囲んで時間を供にできたことも忘れられない思い出になりました。
山奥の民族の長老たちと話しているような、夜叉か鬼か神々と話しているような思いでした。
星が輝きすぎていたし、インディアンが輪を囲んで話し合うときの厳粛でリラックスした空気を味わいました。神聖な部族会議におれたちを招いてくれて光栄の限りです。

なんか誉めすぎて気持ち悪い感じになりそうなんでもう止めます。


 ここに書いたことはジョニーさんが祭りの合間をぬって会いに来てくれて「NGくん、《貧民街》を教えてよ」とトランプを持ってきてくれたことが嬉しくて。ジョニーさんがかなりヘビーにおれのブログを読んでくれてるんだなと思いました。
おれの改良版《貧民街》はちょっといまいちでしたね。やはり《貧民街》は一切ドローせずに持ち札五枚のみで戦う下町喧嘩ルールがいちばんおもしろいと思います。

 来月は南の方へ行くので、しばらく東北に行けるかはわかりませんが、今新しいアルバムを作っているので完成したらまた行けると思います。また必ず会いに行きます。
それまでお元気で。

2014年9月17日
NGより

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2014年9月12日 (金)

脳細胞以外で感じれるもの

 バンドの演奏旅行を終えて家路につくとき、その土地をずっと通り過ぎて何を見たのだろうかと考えることがある。


昨晩は友人たちに頼み込んで忍び込んだホテルで寝た。フロントの女性は奇怪なバンドマンが時間をずらして1人ずつ311号室に入っていって朝になると1人ずつ出てくるのを不思議に思ったかもしれない。おれは図体がでかいから忍び込もうにも難しいんだ。だから逆に堂々するようにしてる。

二日目は帯広へ。同じ道内と言っても、札幌から帯広は200kmある。本州で例えれば東京から静岡くらい?か?
でも道がずっと限りない直線だから、時間は本州よりかからないだろう。とても気持ちいい。風が乾いておる。

峠を越えると白樺と見渡す限りの農地や牧草地が広がる北海道的な風景が待っていた。

おれたちはその道をものすごいスピードで通り過ぎてゆく。観てはいるが、風景は時速90km前後で擦過して、デントコーンにも、サイレージにも、標本のような白樺の木肌にだって触れてはいないのだ。
 
帯広についた。駅前の大きなアーケードの通りは人気が少なくて、シャッターも目立っていたけど時折トラディショナルな佇まいのブティックや、渋いCD屋なんかもあって、なによりも風が乾いていて気持ちよかった。
昨夜の札幌ススキノはやはり大都会。帯広は閑散とはいかないまでも人が少なかったが、通りで人々がリラックスして店の前の椅子に座って話している姿は開放的で爽やかだ。
人間はこれくらいのほうが居心地がいいんだ。

通りの少し外れに今夜の会場、Studio RESTがあった。

リハーサルを終えて、メンバー全員でインデアカレーというカレーを食べた。旨かったし基本的に490円と安かった。おすすめの豚丼の店は残念ながら通り過ぎてしまった。


   ∮ ∮ ∮ ∮ ∮


書くこと、書きたいことは山ほどあるけれど、ライブに関しては記事では触れない。
何度も何度も演奏する夜を過ごしていると、その夜の演奏と空気はその場にいた人々だけのものにしておきたいという気持ちになってくるんだ。とくに理由はないよ。

演奏を終えて外に出ると雨が一度降って上がった後だった。

さすがに雨上がりの北の大地の夜は肌寒くて、夏なんてもう遙か遠くに置いてきた実感があった。

バッドアタックのヤナさんとショウタくんと驢馬のカツヤさんとでコンビニまで散歩して、缶ビールで乾杯した。



   ∮ ∮ ∮ ∮ ∮

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バキバキに疲労が溜まった状態で空港。おれたちは搭乗を待っていた。目の前に北海道が広がっていたけれどあとちょっとで触れることができなかったように思えた。でもそれでもいいかもしれない。かろうじて通り過ぎてすれ違ってニアミスしているような感じ。でも自分の観てきた物事を想像することは楽しい。
想像力こそが。と思う。前にも書いたかもしれない。忙しい日々だけどこうして搭乗を待って五人でぼんやり空を眺めることもある。
それぞれが何を想うかは知らんけど、おれはあったかもしれない白樺や牛や、ただまっすぐな道路のことを思い出していた。
 それはありきたりな使い古された北のイメージだけど、確かにあった気がする。そしてライブハウスに集まっていた情熱的な人々。どこで何度見ても全然違う風景を描写するのはなかなか難しい。
況やおれのズダボロの欠糖状態の脳細胞は本人の意思を無視してただただ眠ろうとしていた。



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2014年9月 8日 (月)

パンクスたちのパスポート

 おれたちは札幌に訪れて、ライブハウスに着いた後にリハーサルをやって。開場までの時間を持て余してライブハウスの屋根裏部屋のような楽屋で黙々とA4のフライヤーに刃を入れ続けたり。

電気を点けない部屋の中で、急ぎ足に傾いていく北の太陽は次第に翳っていた。

「なにやってんだよ、電気つけなよ」

THE KNOCKERSのボーカリストが楽屋に入ってきて、東京からきた余所者たちは頭を下げる。
 
彼の肩には「NO REALIZE」と書かれたパッチが貼ってあった。

zampanoと驢馬で秋田を旅したとき「NO REALIZE」というハードコアパンクのバンドに大変お世話になった。

NO REALIZEのパッチに気づいたおかげで、北海道のバンドマンと打ち解けることができた。

彼らのボロボロになったパッチワークの意味は、スポーツ選手が着るユニフォームにあるスポンサー企業ロゴの正反対だ。

旅する音楽家にとってパンクスのTシャツやパッチワークやシールは共感と信頼関係を顕すパスポートみたいなものなんだよ。

おれはあんまりシールやパッチをつけないけど、彼らのクラストパンツや武装を見て意味を考えるのが好きだ。

もちろんそれらは輸入されたアイデアなんだけど、日本の、たとえば北海道と秋田をつなぐくらいには根付いて機能している様を目の当たりにするとパンクスのブリコラージュを尊敬するし、嬉しいシンパシーを感じる。

それは文化といっても差し支えないんじゃないかと思う。
彼らはそんな言葉どうでもいいかもしれないけどね。

今回企画してくれた札幌イベンターは、ワークパンツに驢馬のロゴを描いてくれと言ってくれた。

ずっと驢馬のホームページを観てて、毎回おれの書くセットリストの文字を「カッコいいからいつかサインをもらおうと思ってたんです」だって。驢馬のホームページのsetlistってのは確かにおれが書いていて、でも誰も観ていないんじゃないかと思ってたんだが。毎回ライブをやってる痕跡を遺したくて始めたことだ。北の人がずっとおれの書いた字を観ていてくれたことが嬉しくて。彼のワークパンツに真剣に描いたよ。
20140907134601243.png

彼がもしかして驢馬と描いてあるワークパンツを穿いて東京に来ても人々はそのバンドをわからないかもしれない。東高円寺だったらわかってもろえるかもしれないけどな。満州王の親方だっておれたちが何てバンドなのかは知らないだろう。

それでもきっと、驢馬のアーリーイヤーズにワークパンツにサインを求めた青年がどれだけ気合い入ってるか、素晴らしい価値があることをおれたちの音楽で証明してみせるよ。ありがとう。




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2014年9月 7日 (日)

リゾネイターのブリッジ構造

 驢馬の北海道ツアーの前の日。

 おれはギターを修理に出しに行った。いつも通っているリペアマンのお医者さんで、ガットギターがズダボロに壊れてしまったときも見事に治してくれた名医なんだよ。

今回はリゾネイターギターを治してもらいに行った。リゾネイターがビビっていたんだ。多分ピックアップの配線のせいなんじゃないかと手術する運びに。
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珍しいタイプのギターだから一連の写真を撮っておいた。

リゾネイターの中の構造。ブリッジの下部がそのまま共鳴する。
NCM_1110.JPG
スピーカーのコーンのような構造。

蓋を閉める

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リペアマンの先生は帯広出身で、次の日から北海道ツアーで札幌・帯広に行くと言った。帯広の「十勝豚丼」のことを教えてくれた。

 夜は物販作った後に、いろいろ残務処理をしていて結局深夜までかかってしまったんだ。
ミッキーから飲もうと言われていたから、一杯だけ出発前の杯を交わそうと駅前に向かった。

ミッキーはおれのTwitterのやり方を激しく批判していた。ライブ告知だけのツイートなんか見たくないって。そう言われればおれもそう思うよ。いろいろ言い訳したけど、おれの方に説得力に足る説明はできなかったな。

 ブログももっと読みたいと言われた。ありがたいことだ。ミッキーが言うにはこのブログを読んでいる潜在的な読者の数はかなり多く、その読者はNGに批判的でありながらも最終的には応援しててくれる味方だから、彼らをこそ大事にしろと言っていた。
この潜在的読者たちはネットに限らず、批判精神が高く、安易な広報や、打算的な営業活動には決して引っかからないタイプだそうだ。
 だから彼らを楽しませるためには小手先のツマラナい作り話は止して、現実とか本当のことを真摯に書くしかないのだった。

 
 まったく予定外に飲んでしまったからもう朝だ。午前七時に東京駅から成田に行くシャトルバスに乗るから六時には出ないといけない。間違えて一睡もできなくなってしまった。
 
おれはミッキーと別れ、家に帰った。コンビニとかでプリントアウトできるようにフライヤーの原稿を入稿して、あと驢馬の試聴用音源をネットにアップロードした。

北海道は寒いのだろうか?暑いのか寒いのかに関わらず、ライダースの革ジャンを着たかった。驢馬のツアーはみんな革ジャン着て行ったりしてたっけ。あれは福岡ツアーの時で今回と同じような格安のジェットスターの航空券で行ったんだ。

 2014年、何度も何度も演奏旅行に出たおかげで荷物は一瞬で最小限のモノをパッキングできるし、スーツが少しヨレていたからおれはスチームアイロンをかける余裕があったんだ。今は午前5時42分。パソコンでは音源のアップロードが青いノロマなナメクジが這うように進んでいる。だがなんとか六時になる前にナメクジを終えて家を出ることができそうだ。
電車に乗った。東京駅までHOMMヨのニューアルバム「コールドフィンガー」を聴きながら行くことにした。サンプル用の白盤では聴いていたんだけど、ちゃんとしたプレス盤で聴くのはこれが初めてだった。コールドフィンガー。ニイさんの歌が曇天によく似合っていた。このままならば七時のバスには余裕で間に合うだろう。駅のホームで缶コーヒーを買った。sucksという曲になった。驢馬のやつらのある男は「セックス依存症にしてくれ」だと思ってたし、ある男は「セックスオーシャンにしてくれ」だと思っていた。だがそれは歌詞の聞き違いだったらしい。丸の内線から八重洲中央口は遠かった。依存症の奴がやがて来て、セックスオーシャンが遅れそうだから荷物を置いて駅に迎えに行こうかと言う。おれは奴は泳いでくればいいと言う。歌声はくくくと嗤う。9月初旬の東京の曇天には革ジャンはまだ暑かった。オーシャンはバスに間に合っておれたちは成田空港に向かう。バスの中にはいろんな国籍の人たちが。イヤホンで続きを聴いたライカ。うーわんわん。








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