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2014年2月28日 (金)

ストレートスタンド

 おれは今スマートフォンとかいうクソ電話で自慰をするようにこの文章を書いている。
ある偉大な作曲家ギタリストはスマートフォンをいじくる人々を観て「蒲鉾板をさすっているのか?」と言った。

 21日の深夜、というか午前四時頃だから22日の朝だが、Paradiseの真のボーカリスト・呼詩は最前列で驢馬の演奏を聴いていた。珍しいことだ。彼は俯き加減で斜め下を見つめ手をゆっくり動かしていた。
その動きはスマートフォンでもいじっているように見えた。でも呼詩くんはスマホなんて呪われた電話は持たないだろう。おれの見間違いだ。聖なる真の声がライブ中に蒲鉾板をさすっているわけがない。電話だって所持しているか怪しいものだよ。
 
 呼詩は俯き加減で手に持った火の付いている煙草をゆっくりと動かしていた。煙がたゆたう。何か文字を描いてるような動きだった。呪われた蒲鉾板をさすってテキストファイルを生成しているおれとは雲泥の違いだ。詩人は煙や水で文字を書くことができる。おれはクソ電話をさすって存在しない空虚データをたくさんたくさん。何MBもの、何ギガバイト、何テラバイトもの空虚を生成してゆく。どちらが言葉なのかは明白だ。今すぐそのクソ電話をさするのをやめた方がいい。真の詩が読みたいなら。


驢馬の暴力的な演奏が終わって、静かに静かにParadiseのライブが始まった。

驢馬とParadiseみたいなジョーカーを二枚使って遊ぶトランプもあるんだよ。意外と何度もそのゲームをやってるんだけどな

呼詩氏はすぐにステージに上がらない。Paradiseの三人の演奏が続いた。楽屋では呼詩氏と少し話すことができた。

「石橋を渡ることも出来ねえよ、叩いて壊して転げ落ちてしまう」

「演奏の半分以上もステージにいないヴォーカルってどんなもんだよ、なあ」
 
もっとたくさんの不思議な面白い話を聞いたけど、呪われたwebに発表するのはこの二つに留めておく。
 
一つ目の言葉は驢馬が今CDを出して帆を張り出航しようとしている姿を彼なりに讃えてくれたのだと思う。確かに「あの夜」の頃、我々は総ての橋を破壊した。戦場の最前線だったのだ。
だが、今もそうだろうか。Paradiseは新しいアルバムを作って、同時に「あの夜」の頃のバンド「mokixx」のレコーディングを再発売させた。端から見ていてもその行為は過去を慈しんでいるだけには見えない。未来のにかける橋を渡るために過去を起爆剤にして、過去に訣別するために出したように見える。(結局、爆破という表現をつかってしまった)
あの夜を供に過ごした我々のための橋は必ず架けられている。でもなんでも壊してきた我々だから、別に橋がなくて塹壕掘りながらゲリラ行軍でも行きたいところには行く。

確かに呼詩は半分以上ステージに現れない。でも彼は不在をもってして存在する、究極の歌唄いだ。

呼詩がいない間、少し曲がったストレートスタンドが黙しながら突っ立っている。ストレートスタンドは呼詩に似ている。我々はいくつものストレートスタンドを壊してきた。そうだね、何度も見たし何度もやったよ。おれの横でもグルーポチェケレというバンドの丸山というヴォーカリストが折っていた。
 
Paradiseは呼詩が登場して不完全な三角形が、パーフェクトな四度になりそれが次第に壊れて不完全を取り戻す様が、大変美しい。
おれはだからいつもParadiseに呼詩が登場するシーンを見逃すまいとしてるんだけど、この日はバーカウンターで酒を飲んでたらばっちり見逃してしまった。何をやってるんだ。
 
 Paradiseはベースの瀬尾さんが入って完成したと思う。パーフェクトな調和じゃなくて。瀬尾さんがいることで何かアンバランスになった。完璧に危険な男が揃いすぎてるバンドだったから、中性的な瀬尾さんがいたほうがいい。儚さが際だって見える。ステージが尊いものだと再認識させられる。このParadiseというパーティーの旅路や物語が見える。いいパーティーだ。きっと。

次の日の打ち上げで瀬尾さんが、京都に行ったとき呼詩君と供に銅版画家を訪ねた話をしてくれた。Paradiseを取り巻くエピソードはいつだって中世の隔離された夢遊病患者の言い伝えみたいだ。

その夢遊病患者も直立している。少し曲がって、ふらふらしているけれど。ライブハウスに完全に真っ直ぐなストレートスタンドは無い。そこに乱暴で懸命に唄うヴォーカリストがいる限りは。

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最後に。

Paradiseが「映像的」なのではない。

今や音楽は、どんなメディアの中でも窒息死しそうになっているから、「映画」だったり「プロモーションビデオ」というメディアの中では、音楽が比較的自由に優雅に振る舞っているように見えるのだ。

Paradiseはアーティスト家畜が家畜を再生産する動物農場にあって、極めて異例の優雅な野生動物として自由に呼吸している。

だからParadiseが映像的なのではなくて、真に優雅な生き物や自由なものが絶滅しつつあるだけだ。

君がParadiseを聴くとき、目の前の風景は総てが映像的になる。

どんな最悪な世界がそこにあったとしても。

どんなカメラよりも優秀な君の目と想像力に気づけ。

優秀な家畜になるのはやめろ。

Paradiseという生き物に感動して見物してる場合じゃないんだ。

檻を抜け出して呼吸をはじめるんだ。



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2014年2月13日 (木)

オラオラ営業を超えたハードコアソウル営業日誌

 驢馬のCDがりりーすされた後、吉祥寺ユニオンに並んだことを知ったNGは嬉しくて毎日自分のバンドが商品として鎮座しているのを観に行った。
毎日である。暇か。
 いや、そうではない。職場が吉祥寺なので、バイトの合間をぬって観に行っていたのだ。一週間も経とうとしてNGは気づいた。マズい、売れてない!
ネト販売
やタワ渋谷店の売れ行きは好調のようだ。しかしNGのGMT(地元)であるKJC(吉祥寺CITY)ではUYKC(売れ行き好調)がみられないのであった!
このままではッッッッッ!
驢馬を仕入れてくれたバイヤーさんが左遷させられてしまうかもしれない!!!
 NGはそんな怖い噂を聞いたのだ。売れない在庫を仕入れたバイヤーは責任とって左遷させられるとッッッッッ!!
このままでは驢馬を仕入れたバイヤーさんはユニオン尖閣諸島支店とか、ユニオン択捉支店とか、国境沿いの危険な任務にとばされてしまうかも!

NGはあせった。挙動不審に売場をうろうろするNGを見かねた店員さんが話しかけてきた。

「NGさん、、、Iさん今日バックヤードに居ますから呼んできましょうか???」

そう、何を隠そうNGはユニオン吉祥寺店に通いすぎて、もはや店員さんとふつうに話すようになっていたのである。

あ、あの人また来てるよ!てなもんである。まあ毎日来てたら顔覚えられるよな!

 そして「Iさん」とは吉祥寺ユニオンに隠れ住む、吉祥寺妖怪界の長!驢馬を仕入れてくれたのも何を隠そうIさんなのであった!

「是非に!ご挨拶させてください!」

 実はリリース後のNGは店舗への販売経路の確立をポケモンか何かと勘違いしているのか、驢馬を仕入れた総てのバイヤーさんを突き止め、バイヤーさんと顔見知りになり、モンスターボールを投げつけるということをしようとしていた。
 それはいくら何でも!やりすぎじゃない?NG!?と言う声もこうと決めたNGには聞こえない。こうして毎日通い詰めたのも「Iさん」に会うためにストーカーのようにして出勤を見張っていたのである!

だが!NGも暇ではない!!
現在NGは、驢馬とzampanoとソロという本来ライブ!
嘘ジャズの演奏業!
三件のレコーディングエンジニア業!
来るべき驢馬のワンマンライブへの過酷な特訓!
さらに水面下で進行しつつある壮大な計画!!
さらには!
「必要ない」ッッ!
「売れない」ッッ!!
と揶揄されながらもッッッッッ!
「限定:NGセルフポートレイトTシャツ」ッッッッッ!!!
のデザインや作成に向けてッッッッッッッッッッ!!!!

着々と準備し、そして日々の糊口を凌ぐための時間労働!

その合間を縫ってのッッ!レコード店バイヤーさんへのストーキングッッッ!であるッ!!

こちとらッッッ!必死だッッッッッ!!!!!!

NG頭おかしいんじゃないか!?!?

何はともあれIさんがやってきた。

「本当に面陳していただいてありがとうございます。」

「もうツアーは廻られてるんですか?」

「いや、3/13のワンマンの後です。ここに書いていますが3月13日に東高円寺二万電圧です」
とNGはPOPに書かれているライブ情報を指さした。
もちろんこのPOPも店員さんではなくNG自ら書いたものである。プロモーションに自覚的&自発的なミュージシャン!
さらには会話の中で日にちを連呼することで、バイヤーさんはもとより、周りのお客さんにも潜在的に告知をしている。なんて巧妙な会話術!!!

すると店員Iさんから驚きの言葉が、、、


 
「吉祥寺店には試聴器とかなくて、、、
すいません、僕らがんばって売ります」


ッッッッッ!!!



なんてことだ!店員さんを謝らせてしまった!!
そんなつもりじゃないんだよ!Iさん!

「顔を上げてください、Iさん!
驢馬の知名度の問題です。こうして面陳していただいただけでも応援の心強さを感じています!がんばるのは僕らの方だ!
あ、そうだ、もう一度TwitterやSNSで告知しますね」
 

「すいません!すいません!ユニオン吉祥寺店のツイッターにもブログにも載せます!すぐ上げます速攻RTしてください」

 
違うんだ店員さん!NGはプレッシャーをかけに来たんじゃないんだよ!
まるでやくざ者が店に押し掛けてきて
「貴様の店どないなっとんのや?!ゴラァ!!いてまうぞ」と言ってるのと同じ感じになってしまった。

「そうだ!NGさんにご来店いただいたということで写真載せましょう!!それでいいですよね!それでお願いします!!!」
 
「あ、ああ!それは是非!お願いします!!」

その写真がこちら。
 
IMG_0448.jpg

吉祥寺ユニオンのブログはこちら↓

http://blog-kichijyouji.diskunion.net/Entry/9625/

 
丁重にお礼をして店を辞した。
帰り際、他の店員さんに
「ブログ書いとくんで!写真上げときますね!!」
と言ってもらえた。というか言わせたに近い。

このNGの「オラオラ営業」を通り越した「アーバンハードコアソウルジャパン営業」、問題にならなければよいが。

何より新興レーベル「VANISHING RECORD」の企画会議が問題である。「VANISHING RECORD」は闇会社なので、新宿スワンとかの闇スカウト会社バーストの会議風景を想像してもらえればいい。

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功をあせり出過ぎた営業をしてしまったNGに対して

「なにやっとんのじゃ!ボケが!!!おまえはもう茄子でしかない!!」

とばかりにゴルフクラブを前歯につっこまれ、眼球を灰皿にされてしまうかもしれない。
 
 
もうおしまいだ。
 
 

 
何はともあれ下っ端営業のNGはタチュヒコのように足で稼いで縄張りと営業成績を確立してくしかないのだ。

問題にならない範囲で!確実にやれよ!!NG!!
 

ハイ。

 

あなたのお店も驢馬のアルバムを仕入れてみてはいかがでしょうか??
 
もれなくハードコアソウル営業担当NGが来店いたします。

あと3月13日は驢馬のワンマンライブ@東高円寺二万電圧です。
 
 
同じ記事で三回告知するミュージシャンより。
 




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2014年2月11日 (火)

雪だけど、一〇〇年前のキャバレーのように

2月8日、土曜日。
 独露13のあと、根津とフグリと三人で魚屋で朝まで飲んでいたら雪が降っていた。
おれは究極の雨男で、本気出すと雪さえも降るのはご存じの通りである。根津は朝方に心底辟易した顔で震えながら道を歩いていた。
フグリは一見気難しそうな男なのだが、割と人懐っこい性の奴で根津とよく語らっていた。この二人の協力で今回の独露Tシャツできたのだ。
(ていうか独露Tシャツ一枚も売れなかったけどどうなってんの???
欲しい人はNGに連絡していただければ即座にライブ会場などでお渡ししますので。この赤いTシャツ持ってないと冬は越せませんよ!!!)
しかしフグリ、帰るときは颯爽としている。いつか、zampano演奏旅行で福島いったときも雨の中「おれそこら辺で寝ますんで」と言ってさっといなくなってしまた。そういうところは猫のような奴なのだた。
 昼頃に起き出してみると雪はだいぶひどいようで、これは困ったなあ
 友人Oとダンサーのナナさんと馨子で後輩の個展を見に行く約束をしておったのだ。雪だが決行。銀座へ。
銀座一丁目の奥野ビルという古いビルに入っているギャラリーへ。エレベーターが旧式の可動式鉄柵とガラス戸の二重扉。死刑台のエレベーターを思い出した。馨子はルイ・マルを知らなかった。知ってそうなのに。あれはジャンヌ・モローだっけか。死刑台のエレベーターでマイルスとジャンヌが出会って恋に落ちたんだよね。おれ初めてケータイ持ったとき、メールの着信音あれにしたよ。
 
 後輩スネヤの個展は五階で。入ってみると小さな部屋にタイムスリップ感のあるハットを被った人物がいて、そいつがスネヤだ。油絵とか銅版画をかけてあって、大雪の影響で時空間がねじれて100年前にタイムスリップしたような気持ち。
おれたちはさながら鼻持ちならない画商か、怪しげなバーの主人、踊りを踊る妾と、歌を歌う女給といった風情だったらどんなによかっただろう。でも今は1914年から100年後の世界で没落しつつある日本国の銀座だった。ていうか現在から100年遡っても1914年!てことはもうすぐチューリヒ・ダダじゃないか。
 スネヤの作品はとても奇妙な絵で、田舎風の田園風景や鉄塔の中に、身体中を防護服のようなもので覆う人物が意味深な行為をしているといったものが多かった。あと半年で世界大戦が勃発するんだから、さもありなん。予知的な絵だな。
おれは「右翼を運ぶ男」(タイトルは記憶が曖昧だが)という画題の絵が好きになった。右翼が担架に載せられて運ばれているのを遠景に引いたアングルで描かれている。これからそういった悲劇が何度も起こるだろう。この右翼の絵はいつか買いたいと思った。
 
 スネヤの絵を批評しようと話し始めたら馨子がギャッ!と叫んで部屋から出ていった。馨子はおれの批評が大嫌いなんだよ。でもおまえの絵のことじゃないんだからおまえが逃げる必要ないだろ。
 
個展は今日が最終日だったが、この大雪で搬出が不可能だという。おれたちもこのまま閉じこめられてはと100年前の部屋を後にした。
 
一階まで降りるとおもしろそうな眼鏡屋があったので入って、物色してた。店主が話しかけてきて、ダンサーのナナさんがサングラスをかけてるのを撮りたいという。
絵になる女
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サングラスかっこいいな。(この写真勝手にあげてゴメンでももう世界中に発信しちゃったからいいよね!)
 
NGも撮られたよ。
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このNGUZAIな。
眼鏡屋のホームページに載っている。
 
このサングラス、このとき観たときは別に心惹かれなかったんだが、この写真観てるうちに欲しくなってしまったけどどうしよう。中古で安かった。そのうちまた訪れた時にあったら買いたい。
 
 雪の降りしきる中、浅草橋は蔵前へ。馨子は帰宅。ナナさんは女傑たちが集まる恐怖の女子会へと向かった。NGも来る?と誘われたけど辞退した。
 
Oとふたりで夜更けの人々を開けた。道は雪だらけで何ともできない。
 
 夜更けは去年開店したから、Oが個人事業主になってから丸一年ぶんの確定申告を作成している時期だ。
税金と出納のあれやこれやをOから教わっていた。Oとおれは神保町のレストランのアルバイトで知り合って、その頃から何者でも無かったのだが、Oは今や個人事業主である。アルバイト中全然仕事しないで雇用主の頭を悩ませていた男だったが。ルー・リードが聞きたくなって就労時間中に向かいのディスクユニオンにCD観に行ったり。いまではそこのユニオンでおれのバンドメンバーが働いているけど。あそこに自分のCD置かれるのが夢だった。その後レストランは潰れ、おれは二度のCDリリースの機会があったが、まだあの店にはCDが置かれてない(笑)。
 
 Oと、独立法人として事業を興すことのメリットとデメリットについて話し合った。
 おれとOは、確か三年ほど前に神保町の喫茶店ラドリオ(書肆ユリイカの打合せで詩人たちが集ったという伝説的なカフェだ)で、謎の打合せをした。
その頃おれは腐るほど描いてきた絵が、道を諦めたあとにようやく三枚ほど売れて驚いていた。パンチパーマのパチスロの社長が愛人にプレゼントすると言っておれの絵を買ってくれたのだ。その絵を名古屋に送るために梱包して売り払おうとしていた。Oはまだジャックで雇われバーテンだった。そう、あの地震の直後である。おれたちは謎の闇市好景気のような波に攫われて、沢山のわけわからない演奏仕事が舞い込んで来た時だった。
 
Oはミュージシャンたちが街のバーで演奏して独自のルートで賃金をもらえるようなシステムを作りたいと話していた。
 
おれは金も欲しかったけど、Oのわけのわからない人脈や、どうしようもないやくざものばかり集めてしまう体質にシンパシーを感じていた。
 
 まずは店を出して拠点を作る。そこでライブ演奏や絵の展覧会を開いて人を集め、金の流れを作る。その店を事務所にしてレコードレーベルとして機能させる、そしてゆくゆくは音楽興行を打つ会社に発展させる。音楽だけでなくダンサーや画家、建築家、小説家や編集者が互いの仕事をリンクさせるための場として、ビジネスとして、芸術として使う。
 
 それは笑い話でしかなかった。地震の後の闇市好景気の混乱に乗じようとする愚かな二〇代の妄想だったはずだ。おれたちは大昔に憧れていたんだ。一〇〇年前の世界に。でも何が違う?経済が大恐慌に陥り、大地震が起きて、右翼が台頭してきた。あとは戦争が起こるだけだ。
 掃いて捨てるほどいる愚かな二〇代のガキどもとおれたちの違いは、歴史を勉強しているか、否か。神保町は巨大な図書館だ。本の街にアメリカが焼夷弾を落とさなかったから。おれたちは二〇世紀に起きたことを丹念に読み込んでいた。
1999年に自意識があったやつはノストラダムスのことを覚えているだろう。ゆとり世代というが、学校の情操教育とまぬけには因果関係は無いと思う。
ゆとり世代と呼ばれるくらい間抜けな連中は多分、二〇世紀にはまだ意識が目覚めてなかったに違いない。それはしかたない。おれたちは1999年にギリギリ間に合って意識があって、災害とテロと宗教的な自殺を目撃。そして二十一世紀になって、すべては無かったことのように、痴呆のように、集団自殺の世紀がもう一度繰り返されて行くのを目撃した。
 
 二十一世紀も、集団殺人と、集団痴呆、ファシズムのルネッサンスは避けられないだろう。NGの音楽活動の重要なテーマ。zampanoと驢馬でも特に。恥ずかしいありきたりな言葉で言うとzampanoはデカダンス、驢馬はファシズムのルネッサンス。(デカダンスとファシズムを称揚しているんじゃないよ、聴いてる人にはわかると思うけど)
 
 
 とか何とか言ったことは今思いついた後付けで、結果そうだったような気がする、というくらいの話でしかない。
おれとOは打ち合わせた内容を忘れるくらい忙殺されて、気が付けば今やっていることをやっていた。
Oは店を開いて一年、おれは驢馬というバンドの仲間たちとともに、半ばなしくずし的にレーベルをでっち上げて音源をリリース。
 そして誰も来ない雪の日にOの店で税金と役所と組織に関する相談をしていたというわけ。
 
 この後大きな悲劇が起きて、それでもおれたちは相も変わらずのんきな音楽を演奏したり酒をくらって騒いでるとしたら、この店はもしかして「キャバレー・ヴォルテール」だったのかもしれないと思った。世界大戦の最中にあった厭世的で反芸術的な集まり。だとしたらなんだ???
 
おれたちの夢物語は、雪の日だというのに大挙してやってきたお客さんたちの談笑でかき消された。なんでこいつら大雪の日にバーに飲みに来ているんだ?外で雪だるま作っている。
ここはそういう店らしい。そういえば夏に大雨で花火大会が中止になった時もこの店は超満員だったな。
 
過去をみるような眼で現在を騙るのはやめろよ。
だけど、まるでできすぎているみたいだ。
ここに書かれている事実は全て起きていることなのに。
 
多分Oの書いた小説のあらすじなんだと思う。彼は小説家としては才能に欠けていて、それは何故かと言うと、現実を物語みたいに変えていってしまうからだ。二次創作に対する一次創作という言葉があるならば、彼の作品はゼロ次元で書かれている。それはホラ話や、酒の席の夢みたいな話としてしか機能しないんだよ。それはただ現実になってしまう。
 
 もしOの書いた物語の現場に登場したいなら、台東区浅草橋三-二十四を訪ねるといい。
 その店の中では、二十一世紀では滅びたような、ただの酔っぱらいや大騒ぎや夢みたいな話が惜しげもなく顕れては消えていっている。その中にはzampanoも驢馬も登場するよ。zampanoなんてあそこから生まれた音楽だから。驢馬はアルバムリリースのポスターが選挙ポスターみたいに外に貼ってある。
 そこのカウンターに座ったらあなたも物語の登場人物になっている。ただしゼロ次元の物語だから、二次創作のように愛しく思えたりすることはないかもしれないし、小説や漫画のようにおもしろくもなく、ひたすら現実の迫力のあるママ(と最近では呼ばれていたよ)に罵倒されたりするかもしれないが。
 
あしたのランチはもも肉らしいよ。
 
 
(もも肉をどう料理するのかは知らない
(今日のEDテーマはOが歌詞を書いたこの曲で。)
zampano@夜更けの人々 写真by楽太郎
 
 

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2014年2月 7日 (金)

Damn Right,

5日、水曜日。ついにこの日を迎えた。驢馬の1st Full Albam 「Damn right, that’s the Truth」の発売日。

 
 朝は時間労働。早く上がって、CD置いてもらった店舗へ挨拶周りいくつもりだったのに。こういう日に限って、来るはずだったスタッフが一人休んでいた。仕方ない。
仕事は終わらなかった。でもおれは上がらせてもらった。こういうときに単純に割り切れない。後ろ髪引かれる、そんな自分を日本人だなと思う。別にバイトなのに。何のために生きてるの?人生で最も大事な日にバイトのクソ残業で時間が過ぎていく。たった26分、それが惜しい、悔しかった。
 
 仕方ないのでディスクユニオン吉祥寺店は明日に回ることにして、タワーレコード渋谷店に先に行くことにした。今日は驢馬だけど、VANISHING RECORDとしての業務でもある。
CDは面陳され、試聴器に入っていた。本当に嬉しかった。
アーティストコメントカードというものを書かせてもらった。本当はこの紙はアーティストのコメントを書くのだけど(みんな「発売できて嬉しいです」みたいなことを書いてる。)、おれたちはデカデカと「アーバン・ハードコア・ソウル・驢馬」と書いた。
 
 新宿にも行って、そこでも書いた。棟梁が「正しいことが真実だ」と書いた。おれたちのコメント欄はそれでオーケー。
 
 祝いに五人で肉を喰った。実はおれは最近肉を断っていて、久しぶりに食べた肉だった。旨かった。酒を飲んで祝った。
最終的に語気が荒くなって喧嘩みたいになってしまった。
いつもそうだ。
とは言え久しぶりだ。何かを祝うのは。屍ババア・ゼロのツアーの時も最後に喧嘩みたいになったな(みたいじゃない喧嘩だったような)。
年末のツアーのときは予定が詰まりすぎて急ぎすぎてちゃんと打ち上げできなかったからな、
 
祝いの席で酒と肉で語気を荒くして暴言吐くのは昔ながらの頑固オヤジだなあ、と思う。
 
みんな嬉しかったんだ。
 
 完成させるのに一年と半年かかった。驢馬の重たい蹄をひきずって歩み続けてようやく発表。これで良いと思う。もっとはやくはできなかった。安易な妥協はしなかった。音楽は性急に聞こえるかもしれないが、おれたちの足どりはいつだって重いが、確かだ。
 
 3月にワンマンやってまた旅を始めるよ。旅に出た驢馬が馬になって帰ってくるわけじゃない。
ずっと驢馬のまま、この愚鈍な蹄のまま歩み続けよう!


 




 



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2014年2月 6日 (木)

鍵穴の凍りついた夜

4日、火曜日。
 レストランの時間労働をしていたら雪が降ってきた。一年と少し前、おれは雪の降る日に今働いている公園の近くのレストランに面接に来たのだ。もう一年が経った。

 驢馬のCDが全国発売と言うが、全国に発売したくても小売店が発注してくれなければ、どうにもできない。ネット通販、Amazonなんかでも買えるから、まあ、全国で買えると言えば買えるけどね。
そして驢馬のアルバムは、現時点ではとても発注が少なかったようだ。
 
 という連絡を受けてNGは焦った。焦ったというか、あれ?おれ何もしてなくね?と思った。ツアー中、大手レコードチェーン各所に挨拶に行ったが、今のところ結果には結びつかなかったようだ。

おれたちは、レコードを出すために四苦八苦地団駄を踏んでここまで来て、GoodLovin’Productionの力添えのおかげで「VANISHING RECORD」というレーベルを立ち上げた。
大急ぎで立ち上げたため、なんていうかまだ実務的には整理されてない。よくわかってないんだ。
とりあえず死ぬ気でアルバムを作っただけ。良いモノをつくっただけでしかない。
でも、良いモノを創るなんて当たり前だろ?良いモノ創れないならとっととやめちまえよ。
創る、その先をやるためにおれたちはレーベルを立ち上げたはず。
良いモノは必ず売れると信じている。
だけど、売る努力をしなかったら売れるモノも売れないよな、そんなことはおれたち五人はわりと長いバンドマン生活の中で嫌と言うほど思い知らされてるんだ。だから自分のレーベルを創ったんだ。そうだろ?
 
 とりあえず、VANISHING RECORDの二人は驢馬のアルバム発売フラゲ日(なんだそれは???)だけど新作のためにボーカルレコーディングに入っていた。発売日前日にすでに次回作のレコーディングしているところが驢馬らしいよな。
それがVANISHING STYLE。
 
この日のレコーディングの音源は3/13にお見えするはず。忘れるなよ、驢馬のレコ発ワンマンの日。東高円寺二万電圧。
 
 とにかくレコーディングはナイスな形で終えられた。VANISHING RECORDレーベルの棟梁(???)は、次回作のことを話し始めた。この人はいつもそうなんだが、前しか見ないし未来にしか興味がない。おれはというと割と過去を振り返りがちだ。そういうところは反りが合わないんだよ。
 棟梁(仮)の話半分にNGは店頭に並べるためのポップを描き始めた。仕入れてくれたけど、ポップの無い店舗に飾ってもらおう。VANISHING RECORDの営業としては最初の業務かもしれない。
でも他になにをしたらいいかわからない。レーベル業務って何するんだ?GoodLovin’先輩におんぶにだっこで情けない&申し訳ない。zampanoはGoodLovinから出してもらってるミュージシャンだけど、驢馬ていうかVANISHING RECORDは違うじゃねえかよ。おれたちで動かなきゃならない。何をしたらいいんだ???
 
とにかく明日は発売日だ。雪が降っている。
自転車の鍵穴が凍り付いて動かなかった。おれは極度の雨男だが、本気を出すと雪まで降り出すんだ。I was born in crossfire hurricane.
おれが生まれた日には雪が降っていたという。
二十歳くらいでレーベル立ち上げて売り上げている奴もいるよな、もっとはやくやっときゃ良かったと思わなくもない。
やらなかったのは誰かが助けてくれると思ってたんだ。
確かに続けてれば誰かが助けてくれる。でもそれをアテにして不貞寝してるやつには幸運は転がり込んでこなかった。何かがどこかで始まっている。でも始めるきっかけを創るのは自分しかいないんだ。

もっと雪が降ればいいのに。雪は止んで、地面が凍りついていた。



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2014年2月 3日 (月)

独露ⅩⅢ

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2/7(金) NG企画「独露ⅩⅢ」@吉祥寺fourthfloor

出演者NG / 徳久ウィリアム/ 片岡フグリ/(opening act) Dick Sucking Fool At Pussy Licking School open19:30/start20:00 adv¥1500/door ¥2000

吉祥寺fourthfloor

http://fourthfloor.jp/

東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-5炭屋ビル4F

0422-46-2106

T

2013年に行われた独露Ⅰ~ⅫまでのイベントロゴとNGロゴ、片岡フグリロゴ、そしてTシャツデザインのMark In Loser King(by根津幹雄)のロゴをプリントしたTシャツができました。

当日会場で販売します。

色 Fourth Redのみ

サイズ S.M.L 

\2000-

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