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2011年4月18日 (月)

OBA「NGばるばろい!!」第四話"犬死にファンクのスーサイドマン!"

(前回までのあらすじ) NGバルバロイは人々の心に希望の灯をともすため、同一時間平面上に四体同時登場し、対地震汎用音楽奥義「空震災」を完成させる。「空震災」の力で人々の希望を取り戻したものの、時空警察の卑劣な罠で四体のNGのうち、三体は惨殺されてしまった。最後に残ったNGの仮想現実人格であるリー君を連れて時空警察から逃れたマミ。しかしマミもまた虚ろな仮想現実人格であったため光の中に消えてしまう。「今夜7時、下北沢three、驢馬」という謎のキーワードだけを残して…。果たして仮想現実人格リーはNGバルバロイになれるのか?!驢馬とは一体!?

 

 リーは下北沢駅南口に降り立った。人々でごったがえしているが、下北沢にいつも溢れる若者特有の恥ずかしい活気というものは希薄であった。それもその筈、時空警察の警官たちがそこらをうろうろしているのだ。リー変装のためのサングラスをかけた。なんとしてもthreeまでは無事に辿り着かなくてはならない。尾行もされてはならない。
 リーが警戒しているとそこに奇妙なおじさんがやってきて話しかけてきた。
「これだよ。」
 ……いったいなんだこのおじさんは?リーは訝しい目でおじさんを見る。日雇い労働者のようにも、暇をもて余した金持ちのようにもみえる不思議な風体のおじさんだった。
 
「…時空警察のやつらが駅前にいた弾き語りのやつらも、ビレッジバンガードでぶらぶらしてた男女も、みんなしょっぴいて行きやがった。弾き語りの音楽やビレッジバンガードにある本は思想・歴史時間軸的に有害なんだってさ。
笑っちまうよな!あんなもん毒にも薬にもなりやしねえのに!ただのナンパな薄っぺらいファッションを取り締まっても真の芸術行動はなくならないのによ!」

 謎のおじさんは今、時空警察の検閲尋問コードに引っかかるような罵詈雑言を吐いている。このままではそこらを巡回している警官に職質されてしまうだろう。しかしこのおじさんは下北沢の時空警察と芸術抵抗運動に詳しいようだった。もう少し情報が必要だ。リーはおじさんを人目の少ない裏通りに連れて歩いた。
「オジサン、ユックリシャベッテ。日本語ムジュカシイ」

「おやおや、兄ちゃん日本人みたいなつらしてるけど外国の方かい?
 じゃあ教えてやろう!時空警察のやつらはな!ローリーも逮捕しちまったんだよ!ローリーてわかるか?!すかんちのローリーだよ。
おれみたいな小心者は下北沢の弾き語りたちが逮捕連行されて行くのを黙って見ていたが、ローリーは違った。彼は駅前にマーシャルのキャビを20台積み上げて延々とソロを弾いたんだ!時空警察にたいする芸術報復活動として!!奴の英雄的行動には脱帽だ。
 だがローリーも時空警察には敵わなかった…結局ローリーも捕まった。それ以来街の芸術活動もすっかり地下にもぐっちまって…
 実はローリーが抗議活動で弾いたギターは私が創ったんだ。うちの庭に生えてるハカランダの木でな。わたしは次なるレジスタンスのギタリストを探しているんだ。そいつのためならトレスでもマンドリンでもハーディガーディでも創ろう。わたしのハカランダで。
なぜなら私のソウルとは……」

「……ソウイウモノデス」
 そこまで聞いていたリーにはこの話が暗号化された合言葉だということに気づいた。
 マミの遺してくれた言葉は魂のスタンスを表明するとともに仲間との連絡手段でもあったのだ。まるでアフリカの部族のトーキングドラムのように。
 リーの言葉を聞いておじさんはニヤッと笑った。
「着いてこい。」
 
 南口商店街を経て、茶沢通りを道なりに直進。代沢三叉路を過ぎ、そのまま三軒茶屋方面に進み、右側にピンクの看板で「酒」が目印。そのビルの地下に、BASEMENT BARの隣にTHREEがあった。
 
 重たい轟音が響き、音楽が聴こえる。「今日はパラダイスの企画なんだ。」とおじさんは言った。「こっちだ、控え室に来い」
控え室の前には長髪の男がたっている。
「ご苦労だった、ハカランダおじさん。」
そして男はリーの方に向き直り、
「わたしのソウルとは…」
例の合言葉だ。
「ソウイウモノデス」
「君がNGくんか、マミから話は聴いている。」
 長髪の男は穏やかな口調で語りだした。
「私の名前はMagic The Suicide MAN。死の世界を歩くものだ。ちょうどマミが投影された映画の光とこの三次元現実界を行き来するように、私は死の世界とこの現世を行き来するものだ。」
リーは長髪の男スーサイドマンが何を言っているのかよくわからなかった。マミの知り合いだということは何となくわかったが。
 
「日本語ムジュカシイ、デモ、リー、マミサンノタメニタタカウ。ワタシノオカアサンハカマキリデス」
 
 スーサイドマンは怪訝な顔をしてハカランダと呼ばれたおじさんに尋ねる。
「どういうことだ?彼はNG君じゃないのか?」
「おれにもわからんよ、マミの最後の連絡では下北沢の駅にNGバルバロイを迎えにこいとだけ言われた。南口に迎えに行くとマミはおらず、この男がキョロキョロしてやがる。だがこいつは合言葉を知っていた。この聖なる言葉を知っている者は壺・ジャジーラ・カラマーゾフに謁見したものだけだ。マミはいないがこいつを連れてくるしか無かったんだ。時空警察もうろついてやがったし…」

二人は何ごとか話している。リーはたどたどしく口をひらいた。

「ボクノ名前ハ、リー。NG、ジャナイ。NG、死ンダ。三人ノNGシンダ。マミサンハキエタ。光ノ中二キエタ。マミサンアエトイッタ。スーサイドマン、ツボ・ジャジーラ。スーサイドマンガ、リーヲNG二スルテガカリモッテル、トイイノコシテキエタ…。マミサン、死ンダ、ノカ?」
 話ながらリーはとても悲しい気持ちになった。
スーサイドマンはどうしたものか決めかねた顔をしている。
「君がマミの友人だということはわかった。
マミは死んだわけではない。この世界での姿を喪っただけだ。
そしてNG君、いや、リー君。君の多次元同位体も死んだわけではない。私は黄泉の世界、中つ国を行き来したがNG君の魂は死の世界にはまだ来ていなかった。
逆に言えば、私は君がNGになる手懸かりを持ってはいないんだ…」
スーサイドマンはすまなそうな顔をしたが、決意したようだった。
「入りたまえ。リー君。
同志マミの名において君を信頼しよう。
NG君は犬死にしていない。リー君、君もまた犬死にさせるわけにはいかないんだ。
 君を壺・ジャジーラ・カラマーゾフに会わせようではないか」

→to be continued…

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