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2010年3月 6日 (土)

対談!20枚⑯ 秋山徹次様 ブギーなればこそ。現ナマ、そしてロックへの愛

チョバイですねーNGです。前回のコメント欄がにわかに荒れて春を感じます。

わたし「チョバイ」という言葉が使われている現実に目を疑いました。信じられない!

「チョバイ」だぜ?大丈夫か?この言葉匂いすぎないか?

でもそんな私の感覚も今や完全にナウなヤングメンからアウトしてるんだなあ。(いや、ずっと前からそうですけど…)

NG チョバイ(超ヤバイ 笑)
もうヨスギてチョバイしかゆえない!!!!

 

はあ。

 

もはや対談部分よりも前ふりのが長いんじゃないかと噂される当欄ですが、

昨日は私の友人バンド「a flood of circle」のワンマンライブに行ってきました。いろいろ楽しかった。盟友KZKが作曲(!)した曲を遂に聴けて、もうこれはチョバイ!最高!しかもKZKすげえカッコよかった。アンコール時、ファンの「帰りたくないよ~」という声援に

「おれもだよ」

と超クールに言い放つ裸のドラマー。最高にセクシーだったね。

(断じて馬鹿にしてるんじゃないよ。本当にカッコよかったんだから)

ライブにはKZKとはグルーポチェケレ時代からの盟友、M山とM上も駆け付けたんですが、彼らに久しぶりに会って話せたのも嬉しかった。

NG「フラサーがブルース!!と大声で歌って、いたいけな若い男女をブルース啓蒙してくれると助かるなあ」

と私がしみじみ言うと、二人は私が内心「あんなんブルースじゃねえよ!」と遠まわしに言ってると思ったのか

M山「ナカジマさ、ちょっとムカついてるでしょ。」

NG「いや、ムカついたりしないよ!」

M上「なんだおまえまだムカついてたのか。ご苦労な奴だな」

NG「いや、だからムカついてないって。」

M山「良いんじゃないの?そうやってずっと怒ってる頑固おやじみたいな奴も一人はいた方がいいよ。」

M上「そうやって長い間ムカつけるお前ってホントすごいよな。」

NG「だからムカついてないってー!!!」

という一幕もありました。(断じてムカついてませんよ。本当にそう思ったんだから。)

その後、Mちゃんが不意に突然鼻血をだしたり、M大将が出待ちしてるファンの女の子たちをナンパしようと言い出して、残念ながらそんな人たちは居なかったりと非常に楽しい夜を過ごしました。

そんなこんなで今日の対談は、若手ブルースロックバンドマンたちに贈る、日本が産んだ史上最強のブルーズメン秋山徹次様のアルバムを紹介いたします。

 

★ブギーを忘れるな!!!!!!!!!!

NG: 今回の対談では、2008/2009年に聴いたなかで最もよく聴いた音楽、影響を受けた音楽のベスト三人をまだ取り上げていません。
その三人とは、マーク・リボー、秋山徹次、カール・クレイグなんだ。
なぜまだだったかと言うとこの三人は大好きなあまりどのアルバムを一枚選べばいいかわからないのでした。

秋山徹次様は「獄門逝きの13号線」というアルバムが一番衝撃的だった。

秋山徹次 Tetuzi Akiyama /  獄門逝きの十三号線、雷舞院刀狂 Route 13 to the Gates of Hell: Live in Tokyo
Route13_2

〈パート1 架空映画「獄門逝きの十三号線」サウンドトラックより〉

01調絃1
- TUNING 1 - 。
02最後の陽を求めて
- TRIED TO CATCH THE LAST SUN -
03約束された物へのブルース
- PROMISED THING BLUES -
04巡り逢うものすべて
- WHATEVER COMES ACROSS -
05炎よ、静かに燃えよ
- FIRE BURNIN' SOFTLY -
06調絃2
- TUNING 2 -
07身体か心
- BODY OR SOUL -
08ブラックサリーはタフな奴
- BLACK SALLY IS A TOUGH SHIT -
09調絃3
- TUNING 3 -
10六万九十年後の世界
- SIXTY THOUSAND AND NINETY YEARS LATER -
11幕間
- INTERLUDE -
〈パート2「Tetuzi Akiyama/Don't Forget to Boogie!」より〉
12ブギーなればこそ
- IT'S A BOOGIE THING -
13死か、それとも…
- DEAD OR... -
14現ナマ、そしてロックへの愛
- MONEY, LOVE ROCK -
15人形の家、銀行襲撃
- DOLL HOUSE SHAKIN' -
16調絃4
- TUNING 4 -
17高速機械 (アラン・リクトに捧ぐ)
- FAST MACHINE (FOR ALAN LICHT) -
18調絃5
- TUNING 5 -
19ブギーを忘れるな
- DON'T FORGET TO BOOGIE -
20ハイウェイでLSDを一服
- ACID HIGHWAY -
21黄金の街

 
このアルバムは炎です。ディスク1はアコースティックな即興。どこまでも荒野なブルーズの塊がただそこにあるという音楽。

ディスク2は徹次様の「Don't Forget to Boogie!/ブギーを忘れるな」というLPからのライブ。もうブギしかない。ジョンリーよりもミニマルに徹底的にブギーを追及した最強のエレクトリックギターブギーです。各曲のタイトルも鼻血ブー!「ブギーなればこそ」「現ナマそしてロックへの愛」「ブギーを忘れるな」これを聴いたときに私は「ブギーを忘れていました、ホンマスイマセン」という一言しか出なかった。

この暴走族もびっくりする漢字タイトルや「雷舞院刀狂」も、氷のごとくクレバーな演奏の対比と相まって素晴らしい。いかに凡百のブルースマンたちがブギーを忘れているか。豆腐の角に頭打って死んで徹次様に詫びなければいけない。まずはおれが豆腐屋ジョニーの角に頭ぶつけるわよ。

のだけど、このCD誰に貸したか覚えてなくて(笑)今手元に無いんだ。
でも徹次様に関しては去年ライブ観に行ってアナログ盤を持っているのでそれをご紹介しましょう。
このレコードはどうやら550枚しか作られておりません!

 

Donald McPherson
Tetuzi Akiyama

Vinegar and Rum
(Bo'Weavil Recordings, WEAVIL 12LP) (UK) (LP)

Vinegarrumlp_2

幹: おっすげえじゃん。ロットナンバーに21/550て書いてある。
 このレコードむっちゃええやん。普通に20枚に選んで良かったんじゃない?
 
NG: そうなんだけどね。「獄門逝きの13号線」には深く深く衝撃を受けたばかりか、アイディアをパクってウィリアム&Barbar∮Headでライブやったくらい激しく感銘を受けた。いちギタリストの人生を狂わせるくらいのアルバムだと思うよ。
これはそういうタイプの衝撃アルバムではない。だけどチルで味わい深いとても良い作品です。
ニュージーランド録音にアメリカプレスで逆輸入です。日本のサイトだとあまり紹介されてないけど、検索しても500件くらいしか記事出てこないけど、海外サイトだと20000件超えるヒット数でめっちゃレビューされてる。いったい徹次様はどうなっているのかさっぱりわからないのだけど、とにかく日本人も聴くべきだ!!
このジャケットもおれの心をグッと掴むよね。南部の木には奇妙な果実がなっている。
 
幹: ジャケすごくカッコイイ。タイトルは?
 
NG: Vinegar&Rum。
 
幹: Vinegar&Rum(笑)。
 
NG: これはあれだ。大谷能生の主催するイベント「ダイレクトコンタクト」場所は月島のギャラリーで徹次様が3日間ギターを弾きなすった。その内の2日間、徹次様が一人でエレクトリックギターブギーを二時間やったときと、徹次様のリーダーバンド、SARSという世にも恐ろしいバンドのライブを観に行った。そのとき物販で買った世にも恐ろしいレコード。レコードをライブ物販で売ってる時点で嬉しいよね。
徹次様には本当にビビったし、孤高のギタリストであらせられまする(言葉づかいがオカシイ)
何と言ってもブルースだからね。だれがなんと言おうとこれはブルースだよ。ブルースがもはやモノとして存在して鳴っている音。
 
幹: ジャケのイメージもそうだけどコントラスト強いモノクロという感じが良いねえ。
おおっ!なんだ今のは?
 
NG: 今の音は、ウチのターンテーブルの針が飛んだ音(笑)。
レコードに収録された音ではありません。
けど針が飛んでも自然に聴けちゃう。
 
幹: やっぱぼくはこういう音楽の方が理解できるね。
 
NG: (笑)どういう音楽だよ!
比較対象がメチャクチャだから…
 
幹: 質感というかね。何て言うんだろう。
 
NG: DIYな?
 
幹: DIYな。良いレコードを買いましたよ。僕はこういうCDも最近買ってないから非常に良いと思います。
 
NG: 齋藤録音が言ってたんだけど、秋山徹次が「どんなこと考えて即興演奏してるんですか」って質問に「弾きながら忘れてゆく」って答えたらしい。
 
幹: すごく良いことを教えてもらったね。カッコイイ言葉だなあ。
 
NG: 秋山徹次は総てがカッコイイからね。 
 
幹: ベンジーとかも弾きながら忘れてるよな。カッコイイ(笑)
 
NG: 失礼な(笑)。あれは老化だ!ベンジーと較べるなよ。
 
幹: あれは健全な健忘症だから(笑)。

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2010年3月 2日 (火)

対談!20枚⑮ 大友良英「OUT TO LUNCH」

最近気になっていたことに「ヤバい」という言葉がある。この対談を読み返してみると「ヤバい」という言葉がかなりたくさん使われているからだ。

  • ヤバい・・・「良くない」「非常にまずい状態に陥っている」の意。近年では意味が拡大しており、「予想に反して驚き、衝撃を受けてしまった」という際にも使用されるようになってきている。

らしい。ちなみにこれはウィキぺディアの「若者言葉」の欄にあったものである。なんてことだ。「非常にまずい状態に陥っている」ぞ。このままでは語彙の貧困なYoung Folksと同じくヤバいヤバい言って、わからなくなるとググって→ウィキという超軽薄的平成おつむAirジョーダン男子のブログで言いたい放題状態じゃないか。

ということで今日の前座コーナーは自分自信のコンバース頭で「ヤバい」の意味を考えてみたい。

まずはこの対談で使われている使用例を考察してみよう。

  • NG: これは彼のベスト盤ですがディスクユニオンで300円でしたね。
     
    幹: ジャケットがやばいよ。これはやっぱりサーフな感じなんですか?
    (②Dick Dale )
  •  
  • NG: 恐ろしいですよ。B-Girlですよ。Jumps Midnightですよ!
     さらに恐ろしいのはタイトルに「パートワン」と入っているところ。続くらしい!
     
    幹: ヤバイね。「ニューアメリカ・パートワン 第四次世界大戦」って書いてある。
    (③エリカ様)
     
    幹: 「金髪の黒人女」ヤバいね。
     
    NG: 歌詞がヤバい頭いいね。
    (⑧Mike Ladd)
     
    NG: イルビエントヒップホップとガチなジャズを両方出してるようなレコード会社って何か良いよね。
     
    幹: ボンバレコードはロゴがヤバイな。
    (⑨ DJ SPOOKY)
     
    NG: 一曲目「Deja Vu」の入りがヤバいね。
     
    幹: うん。聴いていて意味がわからない(笑)。
    (⑩ ビヨンセ・ノウルズ「B'day」)
     
    NG: やっぱバイだからね。
    (⑫ TERRE THAEMLITZ「Fagjazz」)
     
    NG: これはヤバイ。
     
    幹: ヤバイ。意識㌢が遠くな∑∫⊥㈱㈱㈱。 いまこうやって聴くと√┣┷┳┻┃㌫…。
    (⑬ こんばんわドナルド・フェイゲンです)
     
    幹: このシンセやべ~!
     うわああこの曲!……凄いなあ・・・
     ちなみに日本のVシネマはこういう曲まだつかってるよ
    (⑭ マイルス「The Man with the Horn」)
     

とまあこんな具合にかなりの頻度で「ヤバい」という言葉が使われている。調べてわかったことは、私も対談相手であるミッキーもトピックとなっている作品の評価に対しての個人的感想としては「非常に良い」「カッコイイ」「こういうの嫌い」と率直に言っているので、単純な感想として「ヤバい」と言っているわけではないのだ。

ではどういう意味で使われているのだろうか?

 

・ヤバい=マジに「非常にまずい状態に陥っている」ぞッッ!!!の例→上記②③⑫⑬⑭の幹

 ジョジョ風に言ってみた。結局この例が一番多いのだが、ある意味一番適切な使い方な気もする。発言者は圧倒的にミスター適切コンテスト入賞の根津幹雄さん。しかしこの場合「ヤバい」というよりもむしろ「非常にまずい状態に陥っている」と文字数14字、音節18音かけて言った方が、よりCOOLでヒロヒコ荒木的なのではないだろうかと今思いついた。省略、省エネ、エコの時代はもううんざりだ!今年は「ヤバい」から「非常にまずい状態に陥っている」ッッ!!!へと言い換えるのがCOOLビズ!

 

・ヤバい=「オモシロイデスネ★」の例→上記⑧の幹、⑨

 これも頻出する例ですね。テストに出ますよー。若者の、親しい友人間でよくつかわれます。電車などで複数の女子高生が自分をチラチラみながら「あの人ヤバいよ…」などと言っていても「ちょっとあの人見てごらんよ。オモシロイデスネ★」という好意の顕れなので心配しないように。原文「オモシロイデスネ★」で言う場合はカタカナで言うのがポイント。

 

・ヤバい=「非常に素晴らしくて涙がチョチョ切れる」の例→上記⑧⑬のNG

 はい。ここからが悪い例です。これはNG氏のよく使う反語的過剰表現で、対談中にも幹氏との会話でかなり意味的齟齬を生んでいます(⑧、⑬)。誤解を生むので正しく「非常に素晴らしくて涙がチョチョ切れる」と全文発音しましょう。真顔で淡々と言うのがポイントです。

 

さてこれらの例を見るに、残念ながら私も今風若者(?)の一人であるのだが。そもそも「ヤバい」のルーツは何なのだろうか。

  • [やばいの語源・由来]
    やばいは、「具合の悪いさま」「不都合」を意味する形容動詞「やば」を形容化した語で、もともとは盗人や香具師の隠語であった。
    戦前、囚人が看守を「やば」と呼んだことをやばいの語源とする説もあるが、「やば」は江戸時代後期から既に使われているため、形容詞化の由来としては考慮できるが語源としては誤りで、「彌危ない(いやあぶない)」「あやぶい」と同じ語系と考えられる。
    その他、「夜這い」が転じ、「やばい」になったとする説もあるが、民間語源説である。(ⓒ語源由来辞典)

だそうです。わりと危険かつセクシーな言葉だったのね。

では盗人や香具師たちが夜這の合間に語り草にする対談20枚の15枚目をどうぞ!
 

★空からちゃんこ鍋と分厚い参考書が同時に降ってきた

NG: 「対談!2008/2009年にNGが出会ったアルバム」の十五枚目はこれです。
 
幹: 栄えある15枚目は?
 
NG: 大友良英ニュージャズオーケストラの「OUT TO LUNCH」です。

ONJO plays Eric Dolphy Out To Lunch

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(一曲目流れる)
幹: おおお~!カッコイイ!いいね、チューニングずれてるディキシージャズみたいなのをわざとやってるCOOLさ。
 
NG: これはエリックドルフィーの同タイトルアルバムの丸ごとカヴァーした盤なんだけど、元ネタのエリック・ドルフィー自体かなりクレイジーでカッコイイ。基本的な曲想はエリック・ドルフィーを踏襲してて大友良英はじめONJOのバラエティ富んだ面子によってリアレンジされてる。サイン波が入ったりとか。レコーディングも大友良英がコンダクトする色んな方法のセッションで録ったらしい。
 2008年におれは"NOISSES ZZAJUN"というグループをやっていた。NOISSESは管楽器やラップトップを含む10人くらいの即興集団だったから、どう纏めるか悩んでいた時にONJOを聴いて本当に目から鱗というか、感動したんだ。
 ONJOはメンバーがゆるやかにグループとしてまとまりながらバシッと個々の即興が立っている。ジャズとかノイズとかどんどん乗り越えてアウトしていくし、特にサチコMのサイン波はサウンドの重要な部分を担っていると思う。NOISSESの中でサイン波をどう扱うかすごく悩んでいたから、大友良英のコンダクトとサチコMの屹立感にはすごく元気とアイディアをもらったんだな。NOISSESで考えあぐねていた時のおれにとって、ONJOはいきなり空からちゃんこ鍋と分厚い参考書が同時に降ってきたような美味しい存在だった(笑)。
 結局おれがONJOとかその辺りに強く触発されたことと、隼人さんやファルコン、齋藤録音と出会って意気投合したことで、何となくコブラ、フリーインプロに傾倒してるようなしてないような(笑)雰囲気になってって、"NOISSES ZZAJUN SYNTAX"という朗読とインプロの恐ろしいグループが生まれたのでした。
 
幹: なるほどね。で、今はもう昔のことになってしまったわけだ。NOISSESもまたやればいいのにと思うけどね。
 
NG: 10年後くらいに(笑)
 このアルバム、三曲目の「ガゼロニ」という曲がバキバキでカッコイイ。このアルバムの曲はユリイカの大友良英特集に自筆譜面が載っている。譜面見たからどうと言うわけではないが。
 
幹: 大友良英は意外に字がカワイイね
 
NG: 「PUNK!」って書いてある。
 
(ガゼロニ再生)
幹: カッコイイ!超パンキッシュ!
 
NG: 大友良英って有名でしょ。聴かず嫌いで「なんでぇ大友良英ぇ」と思ってたけどこれ聴いたら、意識のちゃぶ台を全部ひっくり返されてしまった。
 大友良英を色々聴いたけどこれが一番好きだったなあ。これか、Ground Zeroの初期の20000Vライブ。
「OUT TO LUNCH」はエリック・ドルフィーをやるっていう縛りがあるからこそやっていることがはっきりしていて分かりやすかった。
エリック・ドルフィーの元の「OUT TO LUNCH」も聴いてみようか。

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幹: ほ~ん。原盤もいいね。
 
NG: こういう過去の名作に対してリスペクトする姿勢と解体してドンチャカやるのはぼく大好きだね。
 
幹: NGはここ数年大友さんをよく聴いていたけど、この対談を15枚分やってきて気になったのは、やはりよく聞いていた菊地成孔が入ってこなかったことだけど…。
 
NG: 菊地さん出てこなかったね。
菊地成孔を聴いていると、まず最初にジャズありきという感じがする。菊地成孔だとDub Sextetの一枚がすごく好きなんだ。ジャズという骨がガシッとあってダブやリミックスが色々入っている。
大友良英にもジャズという芯はあるんだけど、よりフリージャズというか、ONJOというメンバーの集まり自体にジャズを超えたストレンジャーな感じがあって、なんとなくそのアナーキーな雰囲気が好きなのかも。
 
幹: おれも大友良英のが好きだな。どんなに破壊的だったり繊細なことやっててもなんとなく友達になれそう。菊地さんはちょっと…
 
NG: 友達になれなそう?(笑)
 
幹: 菊地さんは…おれもダブセクステット好きでよく聴くんだけど、どっかしら鼻につくんだよな。
あいつは友達じゃねえみたいな(笑)。知り合い?
 
NG: まあマイク・ラッドとかサン・ラに較べたらな(サンラも友達にはなれるか疑問だぞ)
トミー・マクレナンは親戚の叔父さんみたいな。
 
幹: 菊地成孔はなんとなくドナルド・フェイゲン的なモノがある。
 
NG: 確かに分からないでもないけど。
大友良英の話だったのにどんどん逸れちゃった(笑)
 

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2010年3月 1日 (月)

対談!20枚⑭ マイルス「The Man with the Horn」

前回の記事でコメントをねだるというアホみたいなDADAをこねた結果、コメントいただき、私は嬉しくも自分が情けない気持ちにもなりつつ。やはり何らかのリアクションが得られると「ああ私の長文も読まれているのだ・・・」と安心します(一体なんの安心なのか?)。

自分のメールもそうなのだけど、これ非常に返信やコメントしづらいのよね。長文だしなあ。でも最近このページへどうやってアクセスしたかわかる機能があることに気づいて「そんな世の中か」と眺めております。パソコンから見てる皆さんからも見える、このページの右下に当ブログのアクセスランキングが表示されているはずなのです。そのアクセスランキングによるとこのブログを閲覧した人の検索ワードは

1位:ズートホーンロロ
2位:レコードプレーヤー 修理
3位:dj fuji-9
4位:歌代隼人
5位:菊地成孔 スライ ストーン
6位:水谷豊
7位:レコード プレーヤー 修理
8位:巻上公一

(2010年3/1 21:48現在)

一目見て奇怪な結果です。まず一位の「ズートホーンロロ」とはキャプテンビーフハートのマジックバンドのギタリスト。彼の話はしばらくしていないぞ!そして検索してどうするつもりだ!?

二位「レコードプレイヤー修理」はもう願ったり叶ったりというか。果たして前々回の記事を読んでレコードプレイヤーは治せたでしょうか。ネット上の他の同内容記事よりもわかりやすい自信がありますぞ!ピノコの名助手ぶりに写メ解説付き。しかしレコード修理に辿りつくまでの長くてどうでもいい話もしっかり読まないと許さないわよのさ!アッチョンブリケ!!!

三位「DJ fuji-9」はとにかく根強い人気でこのブログのアクセスランキングトップランカーなのですが、俺にはそんな知り合いはいない!

これは嶽のB-boy関係の人ですな。何かというとかつて書いた「B-boy怖い」という記事で八王子Connectionというイベント観に行ったときいた人なんじゃろう。この「B-boy怖い」というページは単独でアクセス数が未だに増えているという恐るべきゾンビページなのだった。きっとB-boyたちが夜な夜な「B-boyの悪口書くやつはいねえがー」と言って検索しているのに引っかかりまくっているに違いない。どうしよう。怖いよー。おれ悪気はないし-B-boyの悪口じゃないぞー。彼らに夜な夜な襲撃されて背後からいきなりライムバトルで挑まれたらどうしよう。自慢じゃないがおれはラップバトルは滅法弱いのだ(いや、第一おれはラッパーじゃなかったんだっけ)。このイベントに誘ったラッパー嶽の責任だ!だからおれが襲撃された際は嶽に代わりにラップボディガードしてもらいたい。そしたらおれは審判して「モウオワリダ!カアチャンノ悪口イワレチャダレモカテナイヨ!」とジャッジメントできるぞ!

4位、「歌代隼人」先輩もランキングトップランカーで、常に検索しにきた子羊がこのNG-VANVANブログに迷いこんでいるようだ。インストゥルメンタルジャーニー!!!!最近ネット上で知ったのだが隼人先輩は北海道に移住するらしい。隼人さんと一緒に音楽やったことが今の自分の活動やこのアルバム20枚企画にも色濃い影響を残している。隼人さん読んでるかな?行ってらっしゃい!

一体何の話かわからんくなったけど今日の対談はマイルスの問題作についてですよ。

しかし自分はつくづくトランペットが好きである。

 

★The Man with the Horn

 
幹: いやあドナルド・フェイゲンはやばかったね。皆も聴いてびっくりすると思うよ。
 
NG: なぜドナルド・フェイゲンみたいな音楽を聴けるようになったかというとマイルス・デイヴィス、それも80年代の復帰後のマイルスをいっぱい聴いたからだと思う。
今回はマイルスの復帰第一作「The Man With The Horn」です。

Miles Davis "The Man with the Horn"

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これはマイルス評論で有名な中山康樹らによれば当時批評家からボロッックソに貶されたアルバムで、無かったことにしようとした人が多かったんだって。今でも無かったことにしてる人は多いみたい。
でもおれは結局マイルスの中ではビッチェスブリュー辺りからのエレクトリック以降、アガパンを経て復帰後も大好きだった。
このアルバムは特に重要な作品だと思う。

 私事ですがこのアルバム一曲目は去年のタマビ芸祭ジャズ研テントで嶽(rap)、マコイチ(tp)、上原拓舞(gt)、NG(gt)、長岡(bass)、松下源(dr)というメンバーでやりました。
 
幹: やってましたね。しかしアルバムジャケットがヤバい。
 
NG: うん。これCDだから良いけど、LPサイズだと「うわあダメそう。絶対買わないわあ…」と思うよ(笑)。ちなみにハードオフレコードコーナーに格安でよく置いてあるけどジャケットが原因だと思います。
 
 これはもうベースは奴ですよ。マーカス・ミラー。
 
幹: 奴ですねえ。ベースマガジンはマーカス・ミラー出てない号を買う方が難しい。
 でもこの曲は非常に良いと思います。
 
NG: 良いです。このアルバムは僕がかつてゲロ・カス・糞尿のように呪っていたマイク・スターンというギタリストが登場します。
そしてとてもいい仕事するわけ。マイク・スターンやマーカス・ミラーらゲロヒュージョンミュージシャンたちはね、何故かマイルスとやるといい仕事するんだよね。
 
幹: 確かにね。おれもゲロのように呪っていたマーカス・ミラーだとは思えない演奏。
 こいつベースにコーラスとかかけるんだもん。バカだよ。
 
NG: 多分ヒュージョン勢は帝王マイルスとやるってんで緊張して、普段のビチ糞速弾きや痴漢的恥ずかしテクニック苺100%を封印してるから良い演奏なんじゃないでしょうか。じゃあ一生ビビって緊張してろボケが!と思いますね。
 この曲長いのよ。盛り上がるとこまで待つのがメンドイから次の曲行こう。
 
(二曲目かける。ギターが恥ずかしいフランジャーエフェクタでジャーンと鳴る)
幹: うわあ、いきなり最低な気分になった。何でだろう?
 
NG: この曲は出オチでなの。
 
(三曲目かける)
幹: あ!
 今「こんばんわドナルド・フェイゲンです」みたいな気持ちになれた!
 
NG: そう。でもマイルスはかなりミュージシャンが演奏してる感じが伝わってくるじゃん。
ヒュージョンミュージシャンだからみんな上手いんだけどマイルスの曲自体が調性やリズムからアウトすることを要求しているから、ヒュージョン勢の緊張しながらも綱渡りする躍動感が伝わってくると思うんだ。
 で、逆に上手いスタジオミュージシャンのテクニックを全部シーケンスにフィックスさせてゆくとドナルド・フェイゲンみたいになるんだなと分かった。
多分当たり前の事なんだけど、実感としてサウンドが見えてきたから楽しめるようになったのかもしれない。
 あとこのアルバムの面白いとこは、復帰後マイルスは糞だと言われるんだけど、復帰後第一作のこのアルバムは70年代のエレクトリックマイルスと音の質感、テクスチャーは違うんだが、リズムや音韻上の構造、ストラクチャーはあまり変わっていないと思うんだ。ドラムもアガルタ・パンゲアでお馴染みハイハットばしゃばしゃアル・フォスター。楽曲はアガパン時代より構成がコンパクトになっているけど。
音がクリアーに、構成がコンパクトになったのおかげでアガパン時代マイルスのラリラリ狂騒状態でやっていたことを読み解くヒントとして最適なんじゃなかろうか。
 
幹: 80年代は70年代で生まれた色んなテクニックをどうやるのか?どう録るのか?というのが大きなポイントだったように思うけど、マイルスは皆にボロクソ言われ苛められた感がデカイんじゃないか
 パンゲアって一時期おれらの周りで流行語になったよね。なんか言ったら「パンゲア~」って。「エンガチョ」的な使い方されてた。龍二が言ってたのかな(笑)

NG: おれが一番押す曲はアルバムタイトル曲の「The Man With The Horn」。
 マイルスは復帰に当たってミュージシャンの甥と一緒に練習してた。で、甥はバンドやっててそのバンドに書かせた曲がこれです。
この曲が誰しもに無かったことにされ無視されまくった、噂の名曲。
(「The Man With The Horn」が流れる)
 
幹: ……うわあ、
………最低だ!
 
NG: おれこの曲が凄く好きで。
 
幹: このシンセやべ~!
 うわああこの曲!……凄いなあ・・・
 ちなみに日本のVシネマはこういう曲まだつかってるよ
 
NG: ここから歌入っちゃうからね。
 
幹: うわあ…
これはもう「マイルスはSelloutに走ったよ」て言われても仕方ない。
 
NG: これもう最高だと思って。皆がわかってないと思う。
 
幹: うぅぇぇへ、へへへ∇Ф≡∑∑(またバグる根津)
誰も理解できねえよ(笑)
これマイルスって言わなきゃだれも聴かねえよ。評論家の先生たちも耳に入れなかったって。
 
NG: しかもこの歌詞マイルスを誉め讃える内容だからね。
「ホーンを持った男がやって来た…」という。
 
幹: マイルスでこんな曲があったなんて俺は信じられないね。
 
NG: ザゼンボーイズの「4」の話したじゃん。ザゼンの「4」で向井が「プリンスみたいになりてえ、スライみたいなことがやりてえ」って。
同じことをこの時代に思った人がいたのよ。
その人は既に音楽界で素晴らしいキャリアをもっているにも関わらず、大冒険に出た。
その人とはこの「The Man With The Horn」!
マイルス・デイヴィス!その人なのだった!
マイルスは70年代のジミヘン、スライ辺りからかなり「ざけんな」的な「おれもやっちゃうぞ」的な忸怩たる想いがあったらしい。で、プリンスに対しては本当に「おれもああいうのやる!」と爆発した。
このアルバムはザゼンボーイズの「4」と似た質感を持っているよね。
 
幹: ドナルドフェイゲンあたりから凄くやり場のない気持ちになります。もういいよ~
 
NG: アルバム最後の曲は皆が安心するストレートジャズだよ。
 
幹: 80年代のああいう音楽は何て言うんだろうね?R&Bと言うわけでもないし…
 
NG: アーバンミュージックじゃない?(笑)
 
幹: アーバンミュージックて…
 
NG: ドナルドフェイゲンはAORって言うよね
 
幹: そこらへんの音楽掘ってみるのも有りかもしれないなあ(笑)
 
NG: わかるでしょ?
 
幹: わかるけどブランチなんだよ!!(ブランチとはひばりヶ丘にかつてあったレンタルビデオ店。常にAOR的有線が垂れ流しで根津に甚大なトラウマをのこしている)
 
NG: (無視)このアルバムで00年代の音楽が読み解ける!!(笑)
今こそ大々的に再評価されるべき一枚だと思います。

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