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2010年2月27日 (土)

対談!20枚⑬ こんばんわドナルド・フェイゲンです

ええー前回のブログで10枚終わったと書きましたが、数えてみると12枚だったわよのさ

なのであと8枚ですこの対談ももうすぐ終わりじゃないか。終わっちゃうと寂しいですねー。

みんなのコメントが素敵なブログ(?)を作っていくんだから対談を終わらせないいようにどんどん書き込みましょうよ!

すいません意味不明でした。今回は80年代的音楽を取り上げますがNG、根津幹雄ともに80年代サウンド、特にフュージョンに対してかなりの偏見というか差別発言があります。ヒュージョンの人は怒らないでください。

↓私たちはこの名著でヒュージョンに対する距離感を学びました。

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★「こんばんわ、ドナルド・フェイゲンです」

NG: 次はこれを紹介しよう。
「こんばんわ、ドナルド・フェイゲンです」というギャグで有名なドナルド・フェイゲンです。
 このアルバムはおれの中で問題作。有名な盤だから中学生くらいの時から聴こうとトライしてるんだけど、ウェザー・リポートとかとおんなじで「これはマジに聴けないわ~」と全然聴いても分からない、ツマらない、胡散臭い、ファッキンシットだったんだ。
ところがねー、2009年遂にこれが聴けるようになってしまい、あまつさえ「良い!」と思うようになってしまった。

Donald Fagen / The Nightfly

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幹: なった?おれはまだ聴けない気がするけど
 
NG: これはさらにお子様ランチお断りな感じだから。でもすげえ良いよ。ホント。
 
幹: もう何年も聴いてないけどねえ、本当にウェザーリポートもそんな感じだよなあ
 
(一曲目流れる)

幹: やっぱりなあ、FMラジオっぽい(笑)。ジャケットに反してさ。 いや、なんかさあ二時間サスペンスドラマの80年代初期、水谷豊とか主役張ってた頃のエンディングこんな感じじゃない?

…うぇ~ん(涙)
 
NG: 完成度が非常に高いよね。
「あの頃の音楽」のイメージってボンヤリ曖昧で実際に聴いてみると自分の中のイメージと違ったりするじゃん。ドナルド・フェイゲンは誤差が一ミリもない。この部門では世界一だから。80年代アダルトサスペンスミュージックランキング不動のナンバーワン(笑)。
 
幹: 木の実ナナとか見えてきた。

「だから課長あの時…」「あなたたち気づくのが遅いわね」とか言って(笑)
 
NG: おまえの映像喚起力が強すぎるんだよ(笑)。妄想してないでもっと音聴け、音。
 
幹: 音はヤバイよ~もう(笑)
 
NG: 全部生演奏だぜ、これ。
 
幹: うわあああん(涙)
泣きたくなる。超ハイファイな演奏。
 
NG: このドラムとか人間だぜ。
 
幹: マジで人間なの?怖!
魂を演奏に込めない練習でもしたのかな
 
NG: いやあ凄い職人芸だよ
 
幹: ドナルド・フェイゲンはある意味この20枚の中で一番ヤバイね。
 
NG: でしょ(笑)。だからさっきのジム・ホールなんて全然聴きやすいじゃない。
 
幹: でもどっちかと言えばドナルド・フェイゲンのが親しみをもてる俺もいるよね
 
NG: それは映像的な問題の話だろ(笑)。ロシアマフィアと水谷豊だったらな。

 
幹: テレビで聞いたことあるもん。
他の曲はどうなってんの?
 
NG: 他の曲はおれも聴けないの多いんだよなあ(笑)
 これとか犯人追うときのテーマだよね、まあこんな感じだよ。なんだかんだで刑事ドラマだな
 
幹: うん、80年代の刑事ドラマ。
 
NG: でも俺の好きな曲あった。アルバムタイトル曲「Night Fly」
 
幹: うぉうわああ!これっ(笑)
 
NG: ヤバイしょ
 
幹: ジャミロクワイになれなかった感とか感じちゃうんだけど
 
NG: ジャミロクワイなんて関係無い世界だからいいんだよ!
 
幹: 本当に?
 
NG: だってジャミロクワイの20年前だぜ?
 
幹: なんだろうね、このホーン、シンセが◯×ヾ★з⊿…(ミッキーはドナルドフェイゲンの感動のあまりバグってしまった)
 
NG: これはヤバイ。
 
幹: ヤバイ。意識㌢が遠くな∑∫⊥㈱㈱㈱。 いまこうやって聴くと√┣┷┳┻┃㌫…。
 
NG: (無視)こんばんわ。ドナルド・フェイゲンです。今夜は自分のあの名盤「Night Fly」から「Night Fly」をお送りしております。
 
幹: ззфФ∇。生演奏だと信じられない。打ち込みであってほしい。
 
NG: 凄いテクニックと曲のアレンジ。サウンドも見事。
 
幹: すごいよそういった意味では。
…おまえこういうサウンド嫌いじゃなかったっけ?
 
NG: だからさあ!ビックリしたんだよ!こういうサウンド聴けるようになった自分に!
 
幹: 80年代のハイファイ感を呪ってたじゃん。
 
NG: あれも一種の狂った病というか、ノイズや荒いサウンドに対する病的な強迫観念だったんだなとわかった。
音韻・音響上のノイズ的なものを恐れるあまり生まれた80年代過剰ハイファイサウンドは、もう今の耳で聴くと逆に奇怪だよね。
そんなスタジオミュージシャンたちの頂点を極めたドナルド・フェイゲンサウンドはやはり一つの完成形。皮肉ではなくて本当に一つの芸術だと思います。
 

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2010年2月25日 (木)

閑話休題: ベルトドライブ方式のレコードプレイヤー修理

すっかり暖かくなってきた今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私は西武線車内で、乳首の透けそうな薄いTシャツを着た中年男性がiPodを聴きながら歌を歌い、足をつるつる滑らせて車両内を行ったり来たりしている姿を見かけました。

私の隣に座っていた老婦人(二人組)は彼の奇怪な徘徊行動を見るなり

「あらまあ大変、寒そうねえ。」

「でも暖かくなってきたからねえ、」

「そうねえ、そんな陽気だわねえ」

とわりとスムースにキャッチされていましたが、私は言いたい。彼は春的陽気にやられてクレイジーボディムービングしていたのではない!

あれはフィギュアスケートへのリスペクトだ!

つまり春ではなくてバンクーバーだという。

ところで私フィギュアスケートはあんまし…なんですが、カーリング女子はマジにヤバかったですね。本当にドキドキしました。

そんな陽気ですが、電車の中でカーリングやってるのも見てみたい

 

 という普通のブログ風に書き始めてみたが、最近の当欄記事はずっと「対談!2008・2009NGが出会ったアルバムBEST20」だった。ハードコア読者の皆さんはどんな気持でこの膨大な感想文的対談を読んでいたんだろうか。もっとコメントとかしてもいいんだよ。

皆さんのリアクション以前におれはもう息切れしているのだった。なんかずっとテープ起こしやっている気がする。近況でいろいろ報告したいようなこともあるのだが「20枚」が全部終わってからにしよう!と思っていたら全然終わらないよー。でも10枚は終わったからあと10枚。折り返し地点です。

という状況をいろいろ放り投げて、対談の新規アップもせず、近況告知もせずに閑話休題の会なのですよ

 

先日劉さんと一緒に中央線ウェストサイドにレコードディギンに行った。そして結構大量にアナログLPをゲットして帰ってきたのだが、家に帰って聞こうとするとなんとターンテーブルの針が折れてしまった!

おおブル嫉妬。これではレコードが聞けないよー。遂に手に入れたノイバウテンのサードもピアソラもスティーブ・リードもセロニアス文句もウェスの「スモーキン@ハーフノート」もーーーーうおーーー

という感じで数日間レコードが目の前にあるのに聞けないという重度ラスタファリアンが草原にいながら野菜ジュース飲むような、あるいはウィリアム・バロウズがマットディロンに逆切れ説教のような完全禁断症状に陥り、はあはあ息をもらしよだれを垂らしながらレコードジャケット眺めること数日。(ところで友人の劉さんは三鷹の超優良レコード店パレードに通うあまりパレード店長の必殺技「眼力でレコードを再生」という一子相伝的秘儀を会得したという。これはレコードの溝を視認するだけで脳内にその盤の音声データが再生されるという人類最後のモバイルプレイである。おれもこの数日レコードの溝を眺めていたらかなり幻聴が聞こえてきた)

基本的にターンテーブルの針は消耗品なので針を換えればいいのだ。というか私はDJ用ではない(スリップマットではない)ターンテーブルでチックコリアのインプロピアノソロを「チェケチェケチェケチェケチェケラッチョー!!」したり、「クリスチャンマークレー!」と叫びながらゴムマットを針で再生したり、「ジョンリーフッカー!」と叫びながらジョンリーのレコードを斜めに立てかけて無理やり再生したりしていたから、針が折れるのも当然なのだ。

いざ針を購入に出かけた。ところがお茶の水、秋葉原、池袋と回るも俺の持っているカートリッジの交換針を扱っておらず、「お取り寄せになります」とのこと。ザケンなバーローめーおいらあとっとと買ってとっとと家に帰って聞きてえんだい!取り寄せなんか馬鹿馬鹿しくって待ってられるかあ!と何も買わずに帰ってきてしまった。

だいたいがハードオフで買った2000円のターンテーブルである。そしてカートリッジはオーディオテクニカ最安値の代物。針を待つよりカートリッジごと買った方が速い、いやハードオフでカートリッジ付属のターンテーブルを買った方が安い。

どうするか悩むも今回はハードオフにて持ち運びしやすいターンテーブルを底値で買うことに決定。なんだかんだで現在わたしが使っているターンテーブル本体はパイオニア77年製のダイレクトドライブで、さらにクオーツロックという水晶によって回転数を制御している魔法の箱であることがグーグル調査により判明した。

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PIONEER XL-1551
DIRECT DRIVE PLAYER ¥63,000(ハードオフジャンクで2000円)

安いカートリッジを焦って購入するよりも、金を貯めてスクラッチ・サンプリング用の良いカートリッジを買おう。それまでは安値のターンテーブルで聞こう。最近出ているフォノイコライザー内臓ターンテーブルならば、フォノイコライザー搭載パワーアンプの無い場所でもミキサー直でレコード再生できるから、ヒトんち遊びにいくときにひょいとプレイヤー持っていってレコード聞くことができるぞ。ジャズ研のライブPA時でも転換中にDJできるし。天気の良い日は散歩のついでに持って行って原っぱで野菜ジュース飲みながらレコード聞いたっていいんだ・・・(ミキサーとスピーカーと電源が必要だが)。

しかしレコード周辺機器の話題は興味ない人は全然興味ないだろうなあ

と、どうも半ば混乱気味でハードオフへ買いに行った。

Psv800

ボタンひとつで演奏開始のフルオートレコードプレーヤー。フォノイコライザーアンプも搭載 ステレオレコードプレーヤー

PS-V800

というわけでゲット。1500円だった。割と新しくて2005年製。しかし最近のレコードプレイヤーは「USBで即座にパソコンに音とりこめます」とか「アナログの温かい音をもう一度!」とか宣伝文句が謳っているがまじに「ボケが!」と思うね。こういうプレイヤーはフォノイコライザー内蔵してるものの、出力するアンプにレコード再生する規格の無い最近の糞一体型USB付きコンポではレコードの周波数は出ないから、これ買っただけじゃCDの音より劣化した音、さらにはmp3と変わらん帯域の音しか出えへんのやあ、それ重々わかっとる電機屋が適当なコトぬかして、金持ってて音わからんおじさんおじいさんエルダー層から絞りとろうとしてるだけやないケー!ざけんなあ!と思いますよ。ぼくは。ぼくも高校生のころは電気屋の文句を信じて新品プレイヤー買ったけど、こういうターンテーブルは壊れやすいし何か音も軽い。結局どんな音にするかはアンプ・スピーカーと併せて考えなああかんと幼稚園くらいのころに教えてもらえればよかったのに。自分でそのことに気づいたのはハードオフジャンク地獄を通り過ぎた後であった。

だいたい最近のステレオ、音響再生コンポーネントはマジに軽々しい音になってって、良い音のオーディオはそれはそれで超高額化して二極化が激しいだろーが!普通の家庭で買えるような良い音の音響再生機械を作れボケーと思います。

今回の話最初からずっと脱線しているんだけど、遂に本題に入ります。

家帰って新ターンテーブルのスイッチを入れてびっくり!

モーター音はするけどレコード回転しません!!!!

おおブル嫉妬

しかしあわててはいけない。

私はジャンクコーナーで買ってきて動かなかったテープMTRを直そうとして三台壊したほどの男だぜ

とりあえずターンテーブルの回転台座をそーっと開けてみた。

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とってもスカスカな中身(笑)。おお!ゴムベルトが外れているぞ。これはいわゆるベルトドライブ式のターンテーブルであろう。カセットテープMTRの場合もほとんどの場合は駆動部のベルトが外れて動かない場合が多かった(治せなかったけど)。カセットテープに較べて格段と大きく単純そうな構造なのでピノコ!オペの準備だ!「はいチェンチェイ!」

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うーむしかしモーター部と中央の柱を括ってみてもベルトが余ってしまう。ベルトがガバガバになっているのかと短い輪ゴムでくくってみるとブルーノートの400番台が凄い回転数で再生され始めた!!

「ボギーッ!ジョンゾーンの真似してんのよさ」

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患部をひっかきまわしベルトゴムであらゆるところ縛ってみるブラックジャック。うーむ!おてあげだ!なぜベルトがこんなに長いのだ!どこにひっかければいいのだ全然わからん!ええい畜生!こんなもんぶんなげてしまえ!

「待って、チェンチェイ!逆れちょ!」

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なんだって?!

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おおなんということだ。ベルトゴムを引っかける箇所を探して歯車駆動軸ばかり探っていたのだが、ゴムをかける部分は最初に取り外した回転台座の裏側にあったのだった。でかしたぞピノコ!

「ちょっとググっただけよのさ」

いったん台座にゴムをかけてプレイヤーにセットし、台座の隙間から見えるモーター駆動部にゴムを引っかけて、無事オペ終了!

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いやあ、色々ありましたがレコード聴けるようになったらわたしの禁断症状も治まりました。

しかしベルトドライブ式のプレイヤーはすぐ壊れそうだなあ。

ピノコがネットで情報調べてくれたおかげで助かった。なので私こと間黒男もオペの記録を写メ付きでネットにあげておこうと思う。(同じような内容の記事は沢山あったが・・・)情報を探してやってきた人に、前半の意味不明な脱線は読んでもらえるだろうか。検索タグ上位ランキングにくるようにこの辺でダメ押しでワードを連発しておこう。

レコードプレイヤー修理レコードプレイヤー修理レコードプレイヤー修理レコードプレイヤー修理

仕組みが分かってみると超簡単だった。しかし仕組みが分かってないと全然わからない。構造に対する正しい知識がだいじなのよのさ。

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2010年2月23日 (火)

対談!20枚⑫ TERRE THAEMLITZ「Fagjazz」

★ベリーファッキン重低音

NG: 今回はテーリ・テムリッツです。この人はバイセクシャル的な人?らしいんだけど、ニューヨークから川崎に引っ越して今日本に住んでるんだって。
 このアルバムはねー、デトロイトテクノやスプーキー、マイクラッドやNYアンダーグラウンドヒップホップとともに非常に衝撃と影響を受けた音楽です。すごく良いよ。

TERRE THAEMLITZ / Fagjazz - COMATONSE (JAP)

Temritzcd

TERRE THAEMLITZ  1986年:NYに到着したテムリッツは、ロウアー・ イースト・サイドのサブカルチャーに囲まれ、NYのアンダーグラウンド・クラブでDJとしての活動を開始。「チルアウト・ルーム」の先駆けとも言える、さまざまなジャンルやムードが渾然一体となったプレイで有名になった。

1992年:アナログ盤のみをリリースする「Comatonse Recordings」レーベルをスタート。記念すべき1stリリース『COMATOMSE.000』はミックスマスター・モリスとジ・オーブの賞賛を得ている。その後、彼はNYのインスティンクツ・レコードと契約して、フルアルバム 『tranquilizer』を発表。多くのアンビエント・アーティストが古いアナログ・シンセサイザーに頼っているのとは対照的に、デジタル機器をベースにしたテムリッツ独自の「コンピューター・ジェネレーション・シンセシス」を披露している。また、サブハーモニック・レコードからは「WEB」というプロジュクト名でビル・ラズウェルとのコラボレーション・アルバムをリリース。さらにはラズウェルの伝説的なプロジェクトであるマテリアル、細野晴臣、ゴールデン・パロミノス、ウイリアム・バロウズ、ドラム・コンピューター、アダム・シャイキーなどのリミックスも担当。DJとしてはフューチャー・サウンド・オブ・ロンドン、ミックスマスター・モリス、テレンス・マッケンナ、カール・クレイグなどと活動を共にする。その後も「Mille Plateaux」「Soil」「Instinct」、そして主宰の「Comatonse Recordings」などからリリース多数。

現在は日本在住。セクシュアリティをテーマにした映像作品も多く手がけ、数々のライブイベントに出演している。アップリンク・ファクトリーで定期的に開催される「テリコ先生のベリー・ファッキング英会話」の講師もつとめている。(sorce: http://daisyworld.co.jp/ )


http://www.comatonse.com/

 
幹: (ジャケを見る)なになに?
「ベリー…ファッキン…重低音」
マジで?!本当に良いの?これ?
 
NG: そのタイトル不安になるでしょ
 大丈夫だよ、ブチアゲ姫トラ重低音の人やハーコーギャングスタ重低音の人がこのアルバム聞いたら多分フリスビーみたいに投げると思うよ(笑)。
 
(柔らかいシンセ音がながれる)
幹: 大丈夫?ここからいきなりシンセがタラリラリラリラ~!!って音階駆け上がったり駆け降りたりしない? 
NG: そのあとブチアゲベタ乗り四つ打ちBPM160で「ドッチー!!ドッチー!!ドッチー!!ドッチー!!ドッチー!!」ってなんないから大丈夫だって(笑)
 
幹: 「ベリーファッキン重低音」てのは重低音に対して「ベリーファッキン」だと言っているのかな?現時点では全く重低音鳴っていませんが(笑)。
 
NG: 一応もうちょい低音は入ってくるよ
 
幹: ドン!ドン!ドン!ドン!
 
NG: ドンチキ!ドンチキ!ドンチキ!ドンチキ!
 
幹: ていう感じではない(笑)。
 この人はどういう音楽をやる人なの?聞いてると音響みたいな感じだけど…
 
NG: アンビエント、ノイズをシーケンスコントロールしてやる人なのかな?
このアルバムはジャズミュージシャンとかのスタジオ生演奏を素材にやってるけど普段のテムリッツさんはもっとわけわからん工業音みたいな電気髭剃りシェーバーみたいな音とかでアンビエントやってるよ。
 
(………………静かな演奏が淡々と続く)
幹: ………すげえベリーファッキン重低音だな(笑)
(注:ずっと静かで重低音はきこえません)
「ベリーファッキン重低音」っていうコピーの意味がよくわからないんだけど(笑)。
 
NG: 一応ね、ディスク2の方が「ベリーファッキン重低音」サイドなんだよね、
 
幹: 本当に?じゃあベリーファッキン重低音の方聴かしてよ。
これもすげえ良いけどさ、
 
NG: うん……聴かしてもいいけど、これ…あのね。
実はオチを言っちゃうと、ディスク2のがもっとアブストラクトで静かなんだよね(笑)
 
幹: (笑)そうなの?
 
NG: うん。
とりあえずディスク1でおれの好きな曲がね、これ。
(曲が流れる)
 
幹: すげえベリーファッキン重低音。
 
NG: でしょ(笑)
 
幹: 全然重低音ねえじゃねえか!
 
(…………)
 
幹: これ良いね
 
NG: 良いでしょ
 
幹: 良いけどすごく眠いね。
なんかビヨンセでかなり体力奪われた気がする(笑)。
 
NG: このアルバムも沢山聴いた。
 
幹: 音の輪郭が曖昧に創ってあるから耳が聴こうとして音が立ち上がる感じがあるね。
PAN振りの空間も広い。美しいんだけど同時にダークネスもあるね
 
NG: やっぱバイだからね。
(注:根拠のない偏見発言)
 
幹: なんか癒される感じがあって「ふう」ってなるだけど、にわかな違和感がある。
 輪郭はっきりしないベースがすげえな。
マジでベリーファッキン。
 
NG: かなりベリーファッキングな感じだね(笑)。特に生演奏の音は輪郭ぼやけている。
 
じゃあちなみに「ベリーファッキン重低音」サイドのディスク2を聴いてみましょうか。 
(………ディスク2をかけて一分経過。ようやく少しエレピの音が聴こえはじめる)
NG: これがベリーファッキン重低音ですね。とりあえず一分経ちましたが。
 
幹: なんなんだこれは(笑)
なんなんだこの「ベリーファッキン重低音」という言葉は(笑)
くそ~意味が気になる
 BOOK・OFFとかにさ、トランス/ダンスコーナーに「BASS!!」ってタイトルで姉ちゃんのビキニの尻のジャケットのCDよく見かけるじゃん。ベリーファッキン重低音ってああいうイメージだよね(笑)
NG: もちろんそうだね。
 
幹: でも「あんなもんはファッキンアスで糞だ!」というアンチテーゼにはなってるけど、このCD(笑)。
世の中のベリーファッキン重低音のイメージの真逆に位置してる。
 
NG: 多分テムリッツさんはあんまりトランス/ダンスコーナー行かないんじゃないかなあ(笑)。そういう皮肉という訳じゃなさそうだけど。
テムリッツさん的に「ベリーファッキン重低音なミックスになっちゃったわ。超ヤバイわよ喆」という可能性も否定できない。
 
幹: おれの予想だと、iちゃん(とあるパンクロッカー)の家では意外とこういう音楽が流れている。
 
NG: 深読みしすぎだろ(笑)
iちゃんのイメージが大分暴走してるな
 
(…………淡々と美しいエレピのフレーズと金属音が流れ続ける)
NG: ……というベリーファッキン重低音でした。
 
幹: いやあベリーファッキン重低音(笑)。言葉を失う感じがあって良いね。
 
NG: マジに言葉を失うよ(笑)。

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2010年2月19日 (金)

対談!20枚⑪ 巻上公一「殺しのブルース」

今日の対談更新は巻上さんの「殺しのブルース」です。巻上さんの超絶な企画は去年のジャズアート仙川を生体験して本当に驚きモモの木サンショの木でしたが(古)、ちょっと下の動画観てくださいよ・・・

「FESTIVAL NEO-VOICE#1 声の挑戦」3/29~31

<object width="560" height="340" class="wysiwyg-object"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/MsD0n72RHkI&hl=ja_JP&fs=1&"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/MsD0n72RHkI&hl=ja_JP&fs=1&" type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always" allowfullscreen="true" width="560" height="340"></embed></object>

声になにができるのか、その可能性にスポットをあてた3日間。
ヴォイスパフォーマンスの真髄に迫るスターが大集合。
いままでになかった音楽フェスティバル!!
音楽の原点である原始の響きを体感しよう。


http://www.makigami.com/neo-voice.html

欧米で活躍したヴォイスパフォーマンスの草分け、天鼓を中心に、
闇を切り裂く灰野敬二、宇宙語の巻上公一、スキャットを越えるさがゆき、蜂谷真紀、新 世代の吉田アミを網羅する前代未聞の声のフェスティバル。
2日目には、アルタイ共和国から英雄叙事詩カイの歌手ボロット・バイルシェフ。それを サポートする梅津和時が登場。
3日目は、古き良き歌謡曲を独自に解釈する超歌謡を標榜する巻上公一の歌を堪能する。
驚愕の3日間。

何てこった!凄いよ皆さん!というか皆さんではなく一部の神話好き、倍音ヴォイス好き、ナウシカを今日観てた人々!劉さん!アルタイのカイが来るよ!

本名ボロット・バイルシェフというのを無視して私たちは(西東京のごく狭い地域の人だけだが)彼をアルタイのカイと呼んでいる。アルタイのカイはマジに凄いから観に行きたいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

どう凄いのか全く説明不能だけど、とにかく蛇口をひねったような勢いで神話が倍音ヴォイスによって語られ、笛の音は龍のごとく天を舞い、二弦撥弦楽器トプショールは、ランブリン・ジャック・エリオットもびっくりしてミュールをスキナーするくらい、総てのフォークシンガーの喉を掻っ切るような恐ろしく乾ききった響きで谷谷にこだまするのだ。おお、カイがやってくるぞ皆の衆!

 そんなこんなで今日も超名盤を勝手に適当に語る対談のコーナーに行ってみませう!

 

★ニューヨークそして高円寺

NG: 次は巻上公一の「殺しのブルース」です。

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1. さいざんすマンボ
2. 女を忘れろ
3. 待ちぼうけの喫茶店
4. 悪人志願~雨と風の詩
5. すきやきエトフェー
6. 夜空の笛
7. 東京の屋根の下
8. 帰ってきたヨッパライ(ニューヨーク・ヴァージョン)
9. うつろ
10. マリアンヌ
11. 殺しのブルース

幹: ビヨンセで疲れたからこれは魂の癒しだよ
 珍しく今までの流れにない感じのアルバムですね、これはサントラではないんだけど…
 
NG: なんだろうね、歌謡曲?
 
(一曲目が流れはじめる)
 
幹: 癒されるなあ
 
NG: Jazz Art 仙川で飛び入りスタッフやって、巻上さんと一緒に写った意味不明ミーハー写メが撮れたのは2009年の嬉しかったことだなあ
 「殺しのブルース」は最近再発された。廃盤だったから中古でもずっと高くて諦めてJANISで借りてきたんだけど、したら再発で出やがったのだ
 このアルバムは巻上公一ヴォーカルによる歌謡曲のカヴァー集。ジョン・ゾーンのプロデュースでニューヨーク録音。マーク・リボーさんらロフト変態ジャズ軍団や灰野敬二、大友良英も参加してらっしゃいますな。なんでも一説によるとジョン・ゾーンが高円寺に住んでた頃に歌謡曲のシングル盤を漁っていたらしく、巻上さんも「ジョン・ゾーンの考えるような歌謡曲」
のプロデュースをお願いしたらしい。

 
幹: カッコイイ!この店は入れる自信があるな。
 
NG: ビヨンセの店はなかなか入りづらいからな。
 
幹: 入れねえよ!高すぎるよ!ボッタクリだよ!
 
NG: しかしジョン・ゾーンの仕事の中でも素晴らしい一枚ですな
 
幹: ジョン・ゾーンって一体何なのかがまだよくわかんないんだけど…

  
NG: だから高円寺の人だって(笑)
 
幹: あの人は日本との関わりがすごい深いんだけど
 
NG: 日本が大好きらしいよ。
 
幹: かといってアメリカで誰にも相手されてない訳じゃないんでしょ?
そういう人ってあんまりいないよね
メガデスに昔居ただけのマーティン・フリードマンとかさ
 
NG: 親日家の外国人ミュージシャンが本国で相手されてないっていうのは思い込みだよ。なんかコンプレックス感じるなあ、まあMr.BIGの例はあるけど(笑)
ジョン・ゾーンをフリードマンと一緒にしちゃ悪いよ
ジョン・ゾーンはかなり変態的だけど、射程距離がとてつもなく広くて色んな方面に影響を与えた80年代最重要ジャズミュージシャン/サックスプレイヤーなんじゃないか。
 ジム・オルークとかもそういう親日家ミュージシャンじゃない?
 
幹: ジム・オルークはよっぽどヒドイよ。
日本語覚えようっていう姿勢が。
 
NG: ジョン・ゾーンもあまり変わらないよ多分。
 
幹: ジョン・ゾーンはオフィシャルにそういう姿を出さないじゃん?
 
NG: 出してる出してる!
 
幹: ジム・オルークはヒドイじゃん!
 
NG: ジム・オルークはヒドイ親日家(笑)。
 確かに日本にフレンドリーな人は嬉しいけど、ファンとしてはどうしてもイクエ・モリ様のような「別に」みたいなクールビューティにより憧れてしまいますね。
(上記の人物像はまったく根拠の無いイメージに基づいた妄言です、念のため)
 
NG: 巻上公一のアルバムなのに何故かプロデューサーのジョン・ゾーンの話になってしまった。
 
幹: しかし帰ってきたヨッパライ・ニューヨークバージョンは楽しいね。曲にオチつけちゃった(笑)。
いやあこんな楽しいお酒を飲みたいですね
 
NG: では名曲に行きましょう。
 「殺しのブルース」。鈴木清順映画「殺しの烙印」のタイトル曲です。この曲へのおれとミッキーの思い入れはとても深い。高校生の頃、「殺しの烙印」を一緒に観て衝撃を受けて、それから二人で何度もこの曲のカヴァーに挑戦したね。去年の六本木の即興ライブでも一緒にやった。
そしたら大人の人もカヴァーしていたのを発見したという。びっくりした。それがこのアルバムのヴァージョン。

「殺しのブルース」は
歌: 巻上公一
ギター: マークリボー
台詞: ホッピー神山
サンプリング: 大友良英
プロデュース: ジョンゾーン

という超豪華キャストで収録されています。
俺たちが高校生のときに憧れても表現しきれなかった、あの「殺しのブルース」の世界観を豪華キャストが完璧に、それ以上にパフォーマンスしている。
 
幹: ビックリしたよ。おれも「殺しのブルース」カヴァーして台詞の部分を全部外国人の片言日本語でやりたいな。
 
NG: それはもう八木美知以がやってるから(笑)。去年のジャズアート仙川で。

  
幹: この曲は鈴木清順監督映画「ピストルオペラ」でも劇中再び使われていた。
 
NG: この曲の元映画の「殺しの烙印」もおれの好きな映画オールタイムベスト1です。
 巻上公一のこのアルバムも泣く子も黙る名盤ですね。

 

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対談!20枚⑩ ビヨンセ・ノウルズ「B'day」

 ええー。やはりやってまいりました。今回紹介する(?)のはビヨンセです。かなり調子こいて動画貼りまくったのでこのページ重いよ(笑)。とにかくブルースブラザーズ2000は中学生のころ観たんだけど、魔女の正体をおれは全然覚えていなかったよ!当時は怖かったけど今見たらなんてカワイイ魔女だったんだ!要チェケラッチョー

 

★ビヨンセに観るR&B観~身体における楽器ごとの対応部位

(注:タイトルの主旨はスーパー浅はかなので期待しないように)

幹: 次はこれだ!デデン!
があああああ!来てしまった!
 
NG: おお~。ブルーなシリーズだ。いい流れです。
これはあまり多くを語らずにまずは聴いてみようか。まあ感覚をマッサラにニュートラルにして聴いてみましょう。
Beyonceで「B'DAY」です。

B'day
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NG: 一曲目「Deja Vu」の入りがヤバいね。
 
幹: うん。聴いていて意味がわからない(笑)。
 
NG: この一曲目のイントロは各楽器パートのエモーションを身体にアサインしてゆくという、音源だけだと全く伝わってこないボディムービングが意図されているのですが(笑)。
 しかし一曲目から早くも旦那兼ハスラーのJay-Zが出しゃばッていてウザいですね。帰れよオッサン!

↑ライブ映像による補足。「ベース!」と叫び照明がつく。「ハイハット」と叫び、ハイハットのグルーヴをおっぱいの揺らぎで表現。さらにバスドラムを腰の突き上げ、ロス・アンジェルスを動く床で表現するなど、各パートを次々に身体にアサインしてゆくビヨンセ(笑)。ちなみにNGはこの映像を見て以来同曲を聞く度に自動的にビヨンセダンスを踊るという病気に罹っていた。(この後のドラムソロ、ベースソロも見物なのでご参照あれ)

 

★日本におけるビヨンセ理解~犯人は親父

 
幹: 日本人はBeyonce誤解してる人沢山いるよね
 
NG: そうですねー、クリスタルガイザーのCMにビヨンセ出てくるけど全く爽やかじゃないし、サマンサ何とかという鞄のモニターモデルで起用されているがどういう効果が望めるのか。
果たしてビヨンセのイメージって日本ではキャッチしきれていない感がある。ビヨンセのイメージを街頭アンケートでは
 
1位 ギャル?
2位 金持ち
3位 最近のR&Bって興味ないんです私
 
という結果になりそうですね (注:言うまでもなく実際にはやっていません)。
ビヨンセは黒い、イケイケ、歌メロがキャッチーではない、と三拍子揃っている。
日本では現在の幸田來未に代表されるヤンキー文化「a-vex」イメージの文脈で受け取られてしまった感があります。
 a-vexと全く違うポイントはいくつもあるんですが、ビヨンセ理解の第一ポイントとしては、「ビヨンセは基本的にセルフプロデュースである」という点は重要ですね。あまり楽曲に関与していないと思われる場合でも必ずエグゼクティブ・プロデューサーには必ずビヨンセ本人と父親マシュー・ノウルズの名前がクレジットされています。祭り上げられた女の子ではない。幼少の頃から親父マネージャーによる軍隊式アメリカ地方巡業を回りながら歌手を目指して叩き上げた筋金入りのミュージシャンです。ビヨンセはアイドルでは無く、音楽家だということ。
 とは言えビヨンセの音楽性はかなりのオラオラageageであることは間違いないので辟易している方も多いでしょう。では、ビヨンセの何がこんなにも私の心を打つのだろうか。
 次は"Sugar Mama"という曲聴きいてみましょう
 
("Sugar Mama")

↑この動画大好きで、もうブログに上げるの三回目ですが勘弁してください。もうしません

 
NG: とりあえずまあビヨンセのライブ映像を観ながら彼女のトータルな構想を探っていきましょう。
 
幹: ビヨンセのライブ映像何個か見たことあるんだけど、疲れるよね。
 
NG: 疲れる!カロリーが高すぎる。
ビヨンセのバンド、Beyonce Experienceの演奏です。
まず第一にこのバンドはビヨンセが女の子たちの理想のショーを実現するため、全員女の子のメンバー。
注目すべきはドラムが二台ある!
 
幹: 本当だ!ツインドラム!何故だ?
 
NG: 二人で同じパターンをガッツリ叩くので非常に音圧がありますね。
 第二にビヨンセは口パク!というか口パクする気すらありません。爆音で歌のシーケンスが流れるなか、金ラメのオッパイ見えそうな衣装でフラフラしながら指をペロペロしている。

バンドメンバーは女子と言えど、ゲットーから連れてきたジャイ子のような風貌。特にベースとギターは強面で、体中に刺青が。衣装もまるで世紀末覇者ですな
340x 

 
幹: うわあ"女の子"の演奏ではまったくないね。
 
NG: ベースの奴は女版「北斗の拳」だよ
 
幹: スターウォーズにああいうキャラ出てきた。すげえ筋肉。ドレッドヘアーももはや髪じゃないな、触手。

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★ディープサウスの怨霊~実際の魔女はもっと清楚

 
NG: Beyonceの凄さは中ジャケに現れています。
B

 
幹: うわあ、この中ジャケ…
 
NG: もうセクシーでもオシャレでも何でもない(笑)。
強いて言うならアメリカ大陸のミシシッピデルタ地帯以南の怨念の強さのような。映画「ブルースブラザース2000」に出てくる、ニュー・オーリンズを支配する魔女のシーンを彷彿させます。

↑Blues Brothers 2000のニューオリンズの魔女のシーン。てゆうかこれエリカ様だったんですけど・・・。すいません、イメージで話してたけど映画はビヨンセより全然清楚な魔女でした。
 
NG: アルバムはもちろん全世界の人に聞いてもらいたいんだけどね、…
 
幹: 全世界の人はもう聴いてるよ(笑)
 
NG: アルバムこれがいい!って理屈をなに言ったらいいかわからないからさあ、…
 
幹: 前も(今年の10枚で)ビヨンセ選んで無かった?
 
NG: いや、2006年の10枚ではローリン・ヒルが入っているものの、ビヨンセ、マライア・キャリーが入っていないんです。その頃はまだ未熟者だったのでビヨンセが大好き!と大っぴらに公開するのが憚られていた…
 
幹: 何にせよ、結局お前にとってはアイドルだもんね。
 

 

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2010年2月17日 (水)

対談20枚!⑨ DJ SPOOKY

更新が延び延びになっている「NGが出会ったアルバム2008/2009の20枚」対談。延期理由としては調子こいてかなり長時間喋っていたのでテープ起こしが追いつかないのでした。スマンヌ
しょうがないので前回までは四枚ずつアップしていたけど、一枚ずつテープ起こし出来たモノからアップするスライドリボルビング返済方式で計画的な家族計画を遂行したいと思います。では行ってみよう!

 

Celestial Mechanix: The Blue Series Mastermix / DJ SPOOKY

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NG: マイク・ラッドと同じ流れでSPOOKY行こう。
 これも同じサースティイアーのブルーシリーズ。日本盤はボンバレコードから出てて。ボンバレコードはね、ホームページ見るとリミックスやクロスオーバーじゃない系のアコースティックジャズやインプロのアルバムも出してるみたい。トランペットの日本人だと田村夏樹がボンバレコードから出してた。
イルビエントヒップホップとガチなジャズを両方出してるようなレコード会社って何か良いよね。
 
幹: ボンバレコードはロゴがヤバイな。
 Dekabombakun_336666 Bomba Records

 
(DJ SPOOKYをかける)
NG: DJ SPOOKYとマイク・ラッドは本当におれの心に打撃を与えました。
 最近エディ先生(劉爾瀉)が購入なすったサン・ラやリー・ペリーの出てくる恐ろしいDVDを観たんですよ。「マザーシップ・コネクション」という世にも恐ろしいドキュメンタリー。黒人が宇宙からやってきたという。
したらDJ SPOOKYのインタビュー映像もあって、ドレッドヘアーにスーパーマンのTシャツを着ていた。意外にアホそうな好青年でショックでした(笑)。
 
幹: (笑)もっとカッコイイ奴かと思ってたの?もうちょっと畏まってるぽいイメージだよね
 
NG: カッコ悪くはなかったんだけど、割りとファンキーな糞ガキがしゃべっているという感じでした。ただそのDVDの中ではデリック・メイとDJ SPOOKYくらいしかインタビューの言ってる意味がわからないという代物だったので、やはりマジメな黒人青年のようです。

(注:ごめんなさいスプーキーさん、めっちゃカッコイイ写真ありました)

237775
 
幹: わあこの音楽カッコイイね。またしてもNY的な。


DJ Spooky & Matthew Shipp
アップロード者 La_Huit. - 音楽動画をHD画質でもっと見る!

 
NG: そうなんだよ。もうニューヨークはマイク・ラッド、DJ SPOOKY、アンチポップコンソーティアム、エリカ・バドゥそしてジョン・ゾーンのロフトジャズやニッティングファクトリーに、ノーウェーブに、さらにギュウチャンが住んでる街というホットでぐじゃぐじゃなイメージなんだす。歌舞伎町的な。
 
幹: ああ、コレいいよ。凄く好き。スプーキーはDJプレイ(スクラッチとミックス)がウザく無くていいね、こういうのはやり過ぎないくらいがいいんだよな、
マイク・ラッドからの流れで聴くと、ここら辺は素晴らしいね。。
 
NG: 初めて同じ系統を続けてみたからね。聴きやすい(笑)。
 DJ SPOOKYやブルーシリーズはもはや見たら買えという状態ですね。あんまり出回ってないし。
 このアルバムは二枚組で、二枚目はノンストップミックスなんだけど、この曲のラップというか煽りの決め台詞がスプーキーのアルバムにいつも出てくるんだよ。
「I got two turn tables on Coltrane, I got blue Coltrane…
I'm just Monk & I'm just Miles
I got million muscians playing on my era…」
このセリフが色々使い回されてるんだけどカッコイイ。
 ブルーシリーズはスプーキーとさっきのマイク・ラッドの他にAnti Pop Consortiumとかも出しててマジにチェケラッチョーですわ。あとDJ Vadimとかも。
 
幹: イルセントリック・ヒップホップて言ってる。ヤバイ(笑)
 
NG: そこらへんて佐々木敦の「ex-music」って本で取り上げられてたよね。
 
幹: いやあ良いですね。すごいillな気持ちになったから次に行ってみようか(笑)
 

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2010年2月 1日 (月)

対談!20枚 ⑤ZAZEN ⑥Jim Hall ⑦Tommy MacClennan ⑧Mike Ladd

  • 久しぶりのNGです。実は風邪で寝込んでいて更新遅れました。今回も長文だけど、この対談テープはまだあと3時間分くらいあるんだよ!だからまだまだ続くダYO!では行ってみよう!

 

★Doesn’t Like it

NG: 次はZAZEN BOYSの"4"です。
 

ZAZEN BOYS4 (2008) myspace

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幹: じゃあ"week end"聴こう。おれあれ好きだから。
 僕も10枚選ぶとしたらZAZENの4は入れてたんじゃないかと思います。ナンバーガールからファンなんですけど、ZAZEN BOYS聴いてて色々音楽的に流れをもって変わってきてる。4はその流れが行くとこまで行ったなって感じがして、打ち込みだとか何とか言うよりも、ビート感とうか、空気感が良い。メロウという部分があるしバンドサウンドということに拘って創るんじゃなくて、やりたい音楽を創るんだという向井秀徳の強い意思があって、、
 なんというか冷たい質感というか。ニューヨークとかではなく、
 
NG: 東京都だね
 
幹: 東京という感じの音楽ができている。世界的に日本代表のバンドZAZEN BOYSってこんな感じですって言っても過言ではない。
ZAZEN BOYSが当時出たばっかりの頃は「ええ~?そうでもねえよ」という雰囲気だったけど結局バンドマンやミュージシャンは後追い自殺的に…
 
NG: 自殺?(笑)
 
幹: 後追い自殺的に(笑)向井みたいなアプローチをみせる人が増えてきたからね。
 やはり最先端だったんじゃないか。ようやく状況が追い付いてきた感じかもしれない。
 …なんか最近おれもZAZENみたいな気持ちの曲になってるなって(笑)。
 
NG: あ、そう(笑)
 おれは根津さんほどZAZEN BOYSに思い入れが無いわけなんですが、"4"を買おうと思ったきっかけはね。
第一におれがマキシマムリスペクトを捧げているHowlin' Wolfの"He doesn't like it"のアルバムジャケットをぱくっているわけだ。

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 第二に雑誌「エクス・ポ」のインタビューで向井が「Slyの暴動(There's a Riot Going on)みたいなことをやりたかった」と言っていたのを読んだのね。 どちらもおれは神のように崇めて大好きなアルバム。だからそれらのアイディアを拝借してできたものがどんなもんか聴いてやろうじゃねえかと思って買った。
 ZAZEN BOYSは1stアルバムをミッキーから借りて結構聴いて、初期のアヒトイナザワがドラム叩いてた頃のライブもミッキーのオコボレでチケット貰えて観に行った。生で体感したZAZEN BOYSは凄くカッコよかったんだけど、二枚目、三枚目とちゃんと追って聴いているわけではなかった。
 で、突然四枚目でハウリンウルフとスライにオマージュを捧げると言う挑戦的なことをやり始めたのでおれはビックリした。TAK MATSUMOTOもソロアルバムでジャケパクったけど(笑)

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 でも有名なミュージシャンで、今あえてハウリンウルフやスライの名前を出して、影響を顕に音源を発表する人って全然いないよね。細野晴臣くらいじゃないか。
 で、"4"を聴いてみたらハウスっぽくなってたじゃない。おれもハウスとか好きで聴くけどさ。Kaskadeとか(笑)
 
幹: Kaskadeの新譜ヤバかったな(笑)、去年出たやつ。
 
NG: 聴いてないけど(笑)。
 "4"のハウス的楽曲は正直に言って、ハウスやテクノとか打ち込みを聴く感覚で言うと下手だなと思った。
 
幹: ああ。確かにね。
 
NG: でもこのアルバムの良かった点を一言で言うと、「異和感」だと思うんだ。
「あ~、良かった!もう一回聴こう」っていう感想ではなくて、パッケージングされきっていない感じがあって。
なんだろう、おれの思いでは「スライやハウリンウルフの名盤のようなクオリティは無いじゃないか」とか色々批判があるわけ。
でも糞な音楽雑誌には「ジャケットをパクったわりにはハウリンウルフ程の魅力は無いですね」とか言うインタビュアーはいないわけじゃん。「凄くよかったです。ハウリンウルフって誰なんですか?」みたいな感じで、向井がレファレンスしたことによってありうる批評は全然無い。
正直ハウリンウルフファンのおれとしては「ハウリンウルフのジャケットをパクったんならもっとヤれよ!」という気持ちが強いんだけど、しかしその「もっとヤれよ!」という気持ちがあるからアルバム聴き終わって、もう一度一曲目から聴いてしまうという。
 このアルバムの素晴らしい点は異和感があるから確かめようとしてもう一度聴かせてしまうところ。結果的におれはこのアルバムを2008-2009年通して何度も何度も聴いた。
 
幹: 成る程ね。
 
NG: それは好き嫌いというよりも、現状と音楽に対する問題意識がこのアルバムに生々しく出ているから、スマートな形じゃない良さっていうのがあって。他のアルバムに較べたら、"Ⅱ"とか"Ⅲ"のが音の質感は激しいし荒々しいじゃん。"4"は荒々しいわけじゃないんだけど、コンパクトに異和感が詰まっているのが良かった。
 
幹: おれは思うのはね、スライやハウリンウルフよりも、向井が一番やりたかったPrince的な音楽が遂に出来てきたんじゃないか。
 
NG: プリンスね(笑)
 
幹: ZAZEN BOYSの1stの一曲目"fender telecaster"はプリンスみたいなのがやりてえ!って想いにもかかわらず「全然できてねえ!!」っていう作品だったんだけど、"4"で弱冠できてきたんじゃないかなと。強く感じます。
 アルバム最後の"I don't wanna be with you"のリミックスからラストの曲の流れが非常に良いですね。

 でもZAZENはこれで次のアルバムのタイトルは何になるんですかね。
 
NG: 次はあれじゃない?「聖なる館」とか「プレゼンス」とかじゃない(笑)?
 
幹: 皆言ってるよね(笑)。「4」まで出ちゃったからなあ。いやあもうどうなんだろうか、、、
 
NG: 「Coda」かもしれない。一気に最終章へ。ぶっとばして。それか「狂熱のライブ」(笑)。向井が王子様や魔法使いのコスプレするの。
 
幹: それはいい。映像作品になるかもね。
 ZAZEN BOYSはあえて過去のミュージシャンの名前を挙げて「やりたい」とあえて宣言することでいろんな人を刺激してるのかもしれないね。 
 一番最初は「レッドツェッぺリンやりたい」って言い始めて、「馬鹿か死ね」っていろんな人に言われまくったけど。
 
NG: いやあでも、ハウリンウルフのジャケパクったり、暴動やりたかったり、レッドツェッぺリンやりたいっていう気持ちは共感するし、あえて言うことに意味があると思うよ。
 おれは去年の暮れにZAZEN BOYSのライブを観に行ったんだけど、セッションでエレクトリック・マイルスごっこしてみたりだとか、ギターの人がサンプラー持ってアルバート・アイラーのサンプリングを鳴らし続けたりだとか。
 向井さんはロック界の菊地成孔的なところがあるかもね(と言っている自分が恥ずかしいなぜか)。 
 で、ライブは後楽園で観たんだけど、ライブ終わった後に後楽園から、おれがレペゼンしてやまない神田神保町交差点まで歩いて行ったわけ。夜中の千代田区をね。
 その夜のオフィス街とか、無人の東京っていう冷たくてドライでチープなイメージを本当に表現できているバンドはZAZEN BOYSだなあって思ったんだ。
 
幹: そうだねえ。本当に東京の音楽だと思いますね。まあ福岡の人ですけど(笑)。
 
 

★ロシアマフィアが死んでゆく…

幹: では次に行きましょう。
 
NG: 次はですね、Jim Hallですね。

"Concierto" Jim Hall (1975)
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(一曲目をかける)

幹: ああ~いやあ、ねえー。出た出た。
 おれの嫌いな音楽ですねー
 
NG: ああ、嫌いなんだ。
 
幹: おれはそういうレストランに入れないって気持ちが凄くするんですよ。こういうの聴くと(笑)。
 「お客様、ちょっと…フォーマルないでたちの方でないと…」
 「全然フォーマルじゃねーかよ!おれはよー!」
 「いえ、心がすごくカジュアルです」
 みたいな。そういう門前払いくらいそうな感じ。
 
NG: (無視)おれ2009年はジャズギターを一所懸命聴いてて、で、ウェス・モンゴメリーとかはカッコいいわけ。
 ウェス聴いたりするとジャズギターの感じがさあ…。じゃあちょっとウェス聴いてみよう。
 
幹: ウェスねえ。
 
NG: これは"Full House"ですね。この曲は去年の多摩美の芸祭でサトシさんと一緒に演奏しました。

 
幹: 今日の「フルハウス」も面白かったですよ。ダニーがねえ、ジェシーもジョーイも居ないけど、「おれ一人で大丈夫!スーパーダット!」になって。娘の科学発表会とお芝居、両方見にいくよって約束するんだけど、なんと寝過して両方見ないっていう荒業をするという(笑)。なかなか良かったよ。
 
NG: (無視)とかまあウェスとかいるじゃない。
 
幹: 正直ウェスとか聴いても僕は何も思わなかったんですが…
 
NG: まあそれはまだまだお子様ランチ食べててくださいっていう。
 で、ケニー・バレル。ウェスはジャズギター的なのがバーンって出てるよね。ケニー・バレルは先輩が貸してくれたんだけど、よりブルージー。
 ふだんのおれのブルース的ギターからいっても聴きやすいし入りやすいわけよ。

 
幹: おれはケニー・バレルは好きだなあ。良いじゃないですか。うーん「ミッドナイトブルー」。帰国子女風に言うと「Midnght Blue」。
 まあ、何があれなんですかね、なぜジム・ホールを選んだのか。じゃあジム・ホール戻りましょうよ。
 
NG: っていうのを聴いてから、ジム・ホールを聴くとちょっとは解ってくれるんじゃないかなと思ったんだけど。
 ジャズギターって何だろな?っていうおれの気持ち。ジャズギター初心者的な風に聴いてるんだけどさ。
  
幹: おれさ、ジャズのイメージってギター無いイメージが強くて。で。実際ギター入っているのを聴くと「割と普通」みたいな。ジム・ホールはその骨頂みたいな感じがしますね
 
NG: ジャズがギター無いイメージっていうのはすごく解ります。かく言うおれ自身もジャズギターっていう存在が長い間嫌いで。ジャズの中で一番好きな楽器がウッドベース、トランペット、サックスときてピアノがくるみたいな。
 ギターはもう論外だと思ってた。もちろんウェスやジャンゴ・ラインハルトは聴いていたけど、あれはもうギターじゃなくて別の楽器だと思ってた。
 しかしジム・ホール聴いたあたりからおれの中の何かが変ったんですね。何なんだろう、微妙な「あや」というか。

 
幹: なんかアダルトな感じがしますね。
 
NG: このギターのトーンだよね。メランコリック。表題曲の「アランフェス協奏曲」聴きますか。
 
幹: アランフェスやってるんですか。このイントロちょっと面白いね。これ良いね

 
NG: ジム・ホールがなぜ良かったのか考えてみると、ジャズギターの中のジャズ的なダイナミックな良さはウェス・モンゴメリー聴くとバキッと出てる。ジャズギターのブルース的な良さはケニー・バレルにあるし、
 でもジム・ホールの超Sweetな感じってのは、モダンジャズの中でしか弾けない、モダンジャズの文脈の中で微妙な歌心だったり「あや」を経由してメランコリック&SWEETな良さを出しているのに感動したのかも。
 ギターってこういうことも出来るのか、という。ウェスやケニーバレルのテクニックは他の音楽ジャンルでも共通してるギターのボキャブラリーがあるから。ジム・ホールのようなフレーズはモダンジャズの、それこそジム・ホールのフレーズにしか出てこない。独自の世界観を出していると思う。
 
幹: じゃあ、これを聴いてすごく勉強になりました?
 
NG: いや、勉強っていうよりも心がグッと掴まれた感じ。
 
幹: ふーん。
 ジャズっていうのはアレンジしてナンボな音楽だけど、アランフェスのこのアレンジはすごく良いね。
 おれの頭の中ではもうロシアマフィアが何人か死んでいる(笑)。
 
NG: 金井英人さんがアランフェスやってるじゃない。恐ろしいアレンジで。マイルスも恐ろしいアランフェスやってるでしょ。それと全然違うよね。
 おれはフリージャズやモードジャズやスピリチュアルジャズとかばっかり聴いてきたから、ジム・ホールでやっとジャズの中のギターの「心」みたいなものがわかったのと、「こういうのっていいな」っていう感覚がわかったのがね。
 
幹: まあ大人になったんですね(笑)。
 
NG: こんなので大人とか言ってると後で痛い目みるよ。もっとアダルトな音楽が後に控えてるから。
 
幹: え?マジで?おれ「お子様ランチおかわり」みたいな感じなんですけど。
 
NG: ちなみにこれアナログでも持ってます。
 
幹: ジムさんはバスプロみたいだな…

Getattachment (LPのインナーに描かれたジムさん)

 

★田舎の酒飲みニガー
 

NG: 次のアルバムもギターが凄い。これもオールディーズだよ。大人の音楽。
 本当にお子様ランチ食ってるやつには聴かせられないような音楽だね。ママのおっぱいでもしゃぶってなという。
 次のアルバムはアナログLPでBest of BluesというシリーズのTommy MacClennan。これはリュージしゃんa.k.a.エディ藩ヘレン西川先生が貸してくださったものを僕が海賊CD化して個人的に楽しんでいるものです。

Mcclennan ←Tommy MacClennan
 
幹: 海賊盤。そういうことネットで書くんだ(笑)。
 
NG: 個人的に楽しんでるだけだから。個人的に楽しみたい方は僕に言ってもらえれば(笑)。
 

幹: うわああああ。カッコいいいいいいよおお。
 
NG: 今回ブルース部門から唯一のノミネートですね。
 
幹: おれこういう大人が良いんだよ。大人は大人でも。
 
NG: お子様ランチのお客様は黙っててもらえますか(笑)。こういう大人っつってもさあ。もっと紆余曲折へてからなろうよ。
 
幹: いや、だから僕はまだ子どもなんですよ。ジムさんみたいな大人はどうにも苦手で。
 
NG: トミー・マクレナンは邪悪の権化だね。これはもうアダルトな悪魔の音楽です。
 昨年はエディ先生が戦前ブルースに関してレコードディグと珍ブルースメン発掘で飛躍的な成果を挙げられていた。トミー・マクレナンは私としても名前と数曲の録音は知っていたけれどフルアルバムで聴けるとは思っていませんでした。
 今年はおれもエディ先生に負けないようにレコードを掘り、かつ積極的に戦前ブルースを演奏したいと思っています。 
 ま、君もね。ちょっとこのライナーノーツを読んでトミーがどれだけ大人か勉強したほうが良いんじゃないの?
 (このライナーは「RCAブルースコレクターシリーズ⑦40年代のミシシッピブルース」のもの)
 
幹: なになに。「トミーは田舎の酒飲みシンガー」。いいなあ。こういう大人好きだなあ。…ふむふむ…「もう少しで殺されるところだった」…「“ニガー”という言葉を平気で使うので北部の黒人の反感を買った」…「自分の歌いたい曲はどんなところだろうと歌うんだ」…「彼に歌わせたところ大騒ぎになってビルとトミーは窓から逃げ出した」…
 なるほどねえ、大人だなあ。
 
NG: とにかくトミー・マクレナンはヤバいと。
 
幹: うん。非常に良いですね。

NG: ちなみにこの海賊版ですね、リミックス作って収録してみました
 
幹: うわあ。
 
NG: こういう戦前ブルーズをリマスタリングしてボッギャンボッギャンにするという企画は昔の「Blues&Soul Records」という雑誌で吾妻光良やDMBQの増子がやっていたんだけれども。
 おれの心にはトミー・マクレナンの音楽がこう響いているぞと。
 
幹: 嘘だ。おまえの心ではこんな風になっているのか?!響きすぎだろ?
 個人で楽しむ範囲もここまで来るともう勘弁してくださいという感じですが(笑)。
 

 

★頭良い金髪の黒人女

"Negrophilia: The Album" Mike Ladd (2005)

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幹: 次のアルバムも激名盤ですな、とはいえおれとNGの間で去年一昨年とかなり盛り上がったけど、多分一般的にあまり知られてない人だよね。
 
NG: いやこれはもうニューヨークの帝王だね。このアルバムを出してるBOMBA RECORDSも凄く良いと思うんだけど、あとサースティイアーのBlue Seriesね。このBlue Seriesはニュージャズ、フリージャズ、イルビエントヒップホップをミックスしたような音楽を出しててチェックしとけYOという。
 Mike Laddって何なんでしょうね。一応ラッパー的な詩人でトラックメイカーだということはわかるけど…
 魅力は何て言ったらいいか難しい。この黒さ?

 
幹: 打ち込みとか、あとはジャズとかのジャズといっても煙ったい感じの刺々しさと、あとポエトリーの頭のいい感じ。おれ自身そういうのが色々混ざった音楽をやりたいなあと思っていたら「居た!」という。
 すごく悪そうなんだけど、同時に頭良さそう。
 
NG: だからね、こいつを聴いてると、ジャンル的にヒップホップとかなんだけどno-wave聴いてる感覚に近い。
 こいつがどれだけ頭が良いかは歌詞を読めばわかるね。ええーこの8曲目の「金髪の黒人女(Blonde Negress)」。
 
幹: 「金髪の黒人女」ヤバいね。
 
NG: 歌詞がヤバい頭いいね。
 
  
 『Blonde Negress 金髪の黒人女』/ Mike Ladd(括弧内訳文はネットの自動翻訳)
 
Brancusi Sculping Byonce's in Gold Lemay
(金のLemayでByonceのものを彫刻するブランクーシ)
 
Brancusi Sculping Byonce's in Gold Lemay, Blonde Negress
(金のLemay、ブロンド黒人女でByonceのものを彫刻するブランクーシ)
 
Seabrook's Soul Safari unit
(シーブルックのSoul Safari部隊)

Victrola hold up spinning ballads
(Victrolaは回転しているバラードを妨げます。)
 
WeStay Monkey For Me, down in deep dark Haiti
(深い暗いハイチのWeStay Monkey For Me)
  
Can't get  more modern than
(より現代的になることができません。)

Sam & Milli runnning for
  
Cover in the struggle
(サムとMilli runnning 戦いにおけるカバー)
  
for dignity
(威厳のために)
 
Sound truck for the epoch
(時代のための宣伝用トラック)
 
Culture shock
(カルチャーショック)
 
if only the 20th Century would stop
(20世紀が止まりさえする場合、よかったでしょう。) 
 
on the edible pedestal
(食用の基底に関して) 
 
Who's the Hannibal cannibal? if art is
(芸術があるなら、ハンニバル人食い人種はだれですか? ) 
 
A party which food is for everybody
(食物がみんなのためのそうであるパーティー)
 
Somebody stop me
(だれかが私を止めます。)
 
I'm from Cambridge for Christ's sake 
(頼むから、私はケンブリッジから来ています。)

 
 
幹: この曲は初っ端の「♪Brancusi Sculping Byonce's in Gold Lemay」で踊ってしまいますね。
 
NG: ええ。歌詞というかリリックとしてはもはやネイティブ・タン一派を超えるChill Out感覚、そして野村監督を超えるボヤキです。
 ネットの自動翻訳文を掲載しましたが、国内版ライナーノーツに付いている訳詞とほとんど変わりません。
 詩としてはビートというよりもバロウズやツァラに近いのではないか。
 それもそのはず、ライナーに付属しているマイクラッドの宣言文によると
 「『二グロフィリア』はパリと黒人の関係を歴史的に人種的に正確に洞察している。1920年代の白人アヴァンギャルド・パリジャンと黒人の複雑な関係は混血カップルをモダニズムの先頭に押し出し、彼らの西欧における300年間に渡るクールの支配に冠をいただかせた。1920年代の二グロフィリアを理解すると、今日のグローバル・ポップ・カルチャーを支配している新たなる二グロアを解体、変換、再移植し、それを使って遊ぶことができるのだ」
 と自ら述懐しています。
 あと4曲目「Shake it」は曲・詩含めて総合的に一番好きです。
 マイク・ラッドの良いところは、本当に言葉が少ない。思わせぶり。その醸し出すインテリ感はNIPPSくらい頭が良いんじゃないか?という。

 
幹: いやあ本当ですね。アメリカのNIPPS的な。
 
NG: バナナがどうしたこうしたとか、ビヨンセがどうしたこうした。極めつけはこの曲に出てくる「Long Hair Monkey like it when you…」といった歌詞。おれの心にグサっと刺さったね。
 
幹: このアルバム"Negrophilia"にはおれも大きな衝撃を受けて、当時こういう音楽性を目指していたのを辞めてしまうくらいの衝撃でしたね(笑)。
 
NG: マイク・ラッド他のアルバムも聴いてみたんだけど、このアルバムが一番良いね。何か他のは妙にポップだったりして、アヴァンギャルドタイトプッシー感覚に欠けた。
 そういう意味でこの日本版元のBomba Recordsと輸入元のThirsty EarのBlue Seriesは要チェケラッチョーです。
 
幹: デジタル的な音と生の音のミックスも凄く良い。このアルバム知らない人結構多いんじゃないかな、隠れ名盤だ。
 
NG: 全然隠れてないよ!おれの中では燦然と輝いている。トミー・マクレナンに較べたら全然隠れてないから。ネットで映像観れるし。日本版買えるし。トミーは写真1、2枚くらいしかないんだよ(笑)。レコード会社もメジャーではないけど、エディ先生の掘ってる恐ろしい戦前ブルースの版元に較べれば超普通です。
 
幹: ヒップホップやってたりだとか、打ち込みの音楽やってる人には是非聴いてもらいたい音楽ですね。
 
 

 

→→To be Continued→

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