essential essay
手帳を紛失した。今年では二度目だ。
失せモノが多い。携帯は二度、財布は三度失くした。携帯・財布は警察経由で手元に戻ったが、手帳は戻っていない。
「だから、詩人やミュージシャンは財布失くしちゃうんだって。俺も八王子来てから何回も失くしてるから。表現者は財布持っちゃ駄目だって。」
とは詩人でミュージシャンの野坂哲史は言う。彼は失くした自分の財布が八王子警察署に届けられ手続きを経て窓口でめでたく財布を受け取った後、八王子市及び警察署に感謝の意を表して警察署前で拡声器を手に「ありがとうございます!」とサンクスギビングデモを行った。その場で警察に捕まり、別件の取調べで八王子署にUターンしたという経歴の持ち主だ。
とはいえ失くした手帳はスケジュールがびっしり書き付けてあると見せかけて、本当はその日に何が起こったかを書き付ける日記的備忘録雑記帳だったのだ。
無念だ。あの手帳の内容を見られたら不味い。なぜならばあの手帳には何年何日に誰々と密会したことやら、○○君に殺意を抱いたことやら、それらを実行に移す具体的な計画なども書かれているのだった。
なぜそんなこと不味いことを書き付けておいたか。それはおれが忘れっぽいからに他ならない。近年は特に怒りが持続しない。自分の怒りが冷めやすいことを腹立たしく思い、せめて紙に書き付けて怒りを忘れないようにしたのだ。
かくなる上は腹をくくって書いてあったことを忘れるに限る。といっても実際にはいちいち書き付けておいて手帳を見返しても忘れてしまうのだった。
覚えているのは三月頃に龍二の家で備忘録を見返していたときのことである。そこにはこう書かれていた。
俺に近づくやつに利用されるな。俺を舐めるやつは殺す / 1月某日
おれは叫んだ。
「龍二!」
彼は夕飯を作っていた。
「どしたの?ショウちゃん」
「ナメル奴はコロスって!!1月て何かあったけ?」
「おまえ怖いなwww1月って何したけ???」
「何でこんなこと書いたんだおれは????」
「まあゼリーつくったから食べよう。」
「うん旨いなこのゼリー」
その後も原因不明の殺意の記述は増えていった。おれの書くメモの特徴は感情を克明に描写して、なぜそんな思いを抱いたか、という原因には一切触れられていないのだった。
しかしあのゼリーの味は書き記さずとも鮮やかに覚えている。
ところで最近は冗談のつもりで言った事を真剣に受け取られることが多い。
真に受けられると、こちらとしてもチャラチャラ冗談を言っているわけではなく、かなり真剣に冗談を言っているので一気にシリアスな雰囲気になる。
「うむ、、、じつはこういう真意がありましてな…」と自分の発言をさらに加速させてしまい、しかも言ったことは実際に実行する段となるのだった。
ガンズンロージスの新譜が遂に出てしまった。これは買わねばなるまい。絶対出ないと思っていたガンズの新婦である。じつはさっきパルコで試聴したのだ。凄まじい。店頭に並んでいるヴェルヴェットリボルバーのアルバム「コントラバンド」のプラケースを総て叩き割って(店頭には1枚あるか無いかといった所だが)、カスバンドが!と叫びだしたい。
猥雑だ。アクセルローズ一人いればもうそれでガンズンロージスなのだ。ロック。恐るべきことにリック・ルービンプロデュースのメタリカ「デス・マグネティック」よりも良い。これはその場で試聴して比べたから確かである(当社比。)。
辛うじてAC/DCもリリースされていてその辺は危ういところだな(?)と感じたが、AC/DCは国内盤にビークルの応援やギターウルフ・セイジの邦題なんかが付いていて豪華なのに対して、ガンズは国内/国外隔てなく全く応援無し無視無視完全スルーな雰囲気がぷんぷん。していてやはりAC/DCを僅差で上回っていた(総て当社比。)。
しかし「チャイニーズ・デモクラシー」とは一体全体どういう冗談なのだろうか。時事に対応して「チャイニーズ・パートオブデモクラシー」とか「planned Autonomous」とか無かったんだろうか。
いや否。やはりいちいち刻々と変わり行く国際政治情勢に対応しては平凡だ。レイジに任せておけば良い。見よこの黒字に赤い星。そして「民主」の二文字を。
このタイトル、記憶が確かならばおれが高校生の時に発表された当時から変わっていない。やはり政治や社会とは次元の違う深いポエジーが隠されているに違いない。はやく国内盤を買って英詩及び対訳を熟読しなければ!!!!
やはり恥ずかしくなければ!
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